不吉な法則
最も新しいニコラの印刷証明付部数が99,180部だったことは、2週間ほど前に「最新部数が発表!」で書いた通りです。
では、この10万割れという数字が、いったいどれほど衝撃的なことなのか。
きょうは、古参読者の間で語られる、世にも不吉な10万部を割った中学生雑誌は1年以内に休刊する法則について紹介します。
4大中学生雑誌時代
その昔、いまから10年ほど前には、中学生雑誌が4誌も存在していました。
世間では、一般的に4大中学生雑誌と呼ばれ、新潮社のニコラ他、学研のピチレモン、徳間書店のラブベリー、主婦の友社のハナチューの4誌を指します。
ですが、その後はご存じの通り、今も残るのはニコラ1誌だけ。他の3誌は、全て休刊となってしまったのです。
休刊に至るまで
では、ニコラ以外の3誌は、何年の何月ごろ、どのくらい部数が落ち込んだことにより、休刊に追い込まれていったのでしょうか。
それぞれが休刊に至る状況について、詳しく見ていきます。
グラフの見方
個別の話にいく前に、まずは2010年前後における中学生雑誌の現状から確認します。
そこで、以下のグラフを見て下さい。これは、2009年から2016年にかけて、4大中学生雑誌の部数推移をまとめたものです。
グラフ中にある「×印」は、最後の号、つまりは、その時点で休刊になったことを表します。
中学生雑誌の部数推移
hana*chu→の場合
4大誌のうち、最も早く休刊となったのがハナチューです。(オレンジ色のグラフ)
同誌の場合、グラフにある通り、2009年に初めて10万部を下回ると、そこから1年ちょっと後となる2011年の5月号をもって休刊となります。
ちなみに、ハナチュー出身者としては、土屋太鳳さんや、北乃きいさんといったところが有名です。
ラブベリーの場合
次にに終焉を迎えたのがラブベリーです。(緑色のグラフ)
同誌の場合、2011年に初の10万割れ。すると翌年早々、2012年3月号をもって休刊となりました。
ちなみに、ラブベリー出身としては、休刊を機にニコラへ移籍した岡本夏美さん他、朝日奈央さん、矢作穂香さんなどが有名です。
ピチレモンの場合
そして、3番目に休刊となったのがピチレモンです。(グラフ赤色)
同誌は、2014年に10万。するとこちらも翌年いっぱい、2015年12月号をもって休刊となりました。
なお、さすがに創刊30年を超えた伝統の中学生雑誌だけあって、有名卒業生も多数輩出。
この人もピチレ出身
ちなみに、「超無敵クラス」でもおなじみ、あのゆうちゃみさんも実はピチレ出身だったりします。
ゆうちゃみさんは、ピチレ最後のオーデ合格者なわけですが、なんと誌面で合格者として発表された、そのわずか3カ月後に、突如として「年内をもって休刊」が発表されるという。
結果、半年ほどしかピチレの専属モデルとしての在籍期間は無く、その後、一時的に復刊したラブベリーに移籍することになります。
休刊の法則
ということで、この通り。ニコラのライバル誌は、いずれも10万を割ってから、おおよそ1年以内に休刊となっていることが分かってもらえたと思います。
そして、さらに今回。厳密には中学生雑誌分類ではありませんが、最新の事例として、セブンティーンが加わります。
セブンティーンの部数推移
Seventeenの場合
セブンティーンの場合、2021年の1~3月期に10万を割ると、直後に「紙での発行を月刊から不定期刊とし、WEBメインに移行」することが発表されます。
こうして、2021年10月号を最後に不定期刊となったわけですが、そこから現在までの間、「2022年春号」が1冊出ただけですので、結果的に半年に1冊ペース。
紙での発行に限って見ると、休刊に近い状態となっているわけです。
休刊が視野に入るライン
以上まとめると、若干毛色の違うセブンティーン含め、少なくとも中学生雑誌において休刊の目安とされるのが10万という数字であることが分かります。
発行元の上層部としても、さすがに10万を切ってくると、現場の編集部に対し、何らかのアクションを促し、その上で、回復が見込めないと判断した時点で、休刊に踏み切るパターンのようです。
そして、まさに今。かつて存在したライバル誌と同様の状況に、ニコラがおかれているのです。
危機的状況
もちろん昔と違い、今はネットが中心となり、紙の雑誌が売れなくなっている時代でもあります。
単純に10万というラインで区切ることはできないかもしれません。
とはいえ、あのセブンティーンですら、10万割れによって、紙での定期発行を止めたくらいであり、ニコ読として手をこまねいているわけにはいきません。
では、私たちに何ができるのでしょうか。
読者ができること
できることその1。周りの友達で、ニコラを知らない人や、買っていない人がいたら、ぜひ進めてみて下さい。
できることその2。友達同士でニコラを回し読みしていて普段は買っていないという人や、図書館で読んでいるという人は、ぜひ自分で買ってみて下さい。
この機会に、お得な半額キャンペーンを使い、定期購読してみてもいいかもしれません。
声を上げる
できることその3。本誌の読者アンケートや、ネットのアンケートに積極的に回答し、自分たちの意見を編集部に届け、誌面づくりにいかしてもらう。
とにかく、1度休刊になってしまったら、おしまいです。
ちょっとでもニコラを支えるため、私たち読者ひとりひとりができることを頑張ってみたいところです。