晴れ着の呪い
現在はニコラ1誌だけとなってしまった中学生雑誌ですが、かつては4大中学生雑誌として4誌が存在し、それぞれ「2月号の表紙=晴れ着」としていました。
ところが2010年代に入ると、一誌二誌と晴れ着をやめる雑誌が続出することになります。
さてさて、晴れ着表紙をやめた雑誌は、その後どんな運命をたどったのでしょうか?
一覧の見方
まずは、以下の「4大中学生雑誌の晴れ着表紙リスト」を見てください。
これは、ニコラ、ピチレモン(2015年休刊)、ラブベリー(2012年休刊)、ハナチュー(2011年休刊)の4誌につき、それぞれ各年2月号の表紙が晴れ着だったか、洋服だったかをまとめたものです。
表紙が晴れ着であった場合は「○印」を。晴れ着以外であった場合は「×印」を入れています。
また、休刊となった場合は、枠を灰色で塗っています。
晴れ着表紙リスト
悪魔の法則
一見して分かるのは、かつて多数存在した中学生雑誌が、現在はニコラだけになってしまったということ。
そして、それ以上に気になるのが、「×印」の付された位置ではないでしょうか。
なんと、この通り。「ギャル誌」としての立場から、一貫して晴れ着を拒否し続けたハナチューを除き、現在は休刊となった2誌は、いずれも×印の翌年が灰色の枠となっているのです。
要は、晴れ着表紙をやめた場合、そこから1年以内に休刊が決まっているということです。
ピチレモンの場合
例えば、ピチレモン。2015年の2月号の表紙は、上の一覧の該当蘭が「×」となっているように、前年まで実に6年も続いて来た晴れ着を突然中止。
朝ドラ女優である福原遥さん&優希美青さんが、洋服で登場しています。
その後どうなったかといえば、なんと、そこからわずか半年後に休刊が発表され、同年12月号を持って終了となってしまいました。
ラブベの場合
一方のラブベリーはといえば、こちらも前年まで4年ほど続いて来た晴れ着表紙が、2012年にストップして制服に。
ただしピチレとは異なり、すでに年度末での休刊が発表されており、そのまま次の3月号を持って終了となっています。
なお、休刊により、同誌の人気モデルだった岡本夏美さんが、ニコラに移籍。すぐに頭角を現し、高1になると副会長&ラブトキのイメモに就任しました。
晴れ着NG⇒休刊
さて、以上みて来た「晴れ着の中止」と「休刊」の関連性について、こうした事実をどうとらえるか。
当然ながら、たまたまとか偶然とかではありませんし、もちろん”呪い”なんてものでもありません。
そこは、もっと切実な問題で、言ってしまえば晴れ着は、手間も暇も金もかかるから。
経費削減
例えば、晴れ着撮影は通常のスタイリストさんでは着付けができため、専門の人を呼ばなくてはなりません。
また、新年企画ということで、基本的にモデル全員に着せるため、朝から1日がかりでの撮影になります。
その他もろもろ、とにかく編集部の負担が大きいということで、とくに休刊ギリギリのラインにある雑誌(ピチレ)や、すでに休刊が決まっている雑誌(ラブベ)には、そんな体力がないのです。
よって必然的に、晴れ着表紙を取りやめて経費削減に努めるわけです。
ニコラの場合
そこで、ニコラです。取り合えず、現在のところ休刊やWEB移行が発表されているわけではありませんが、急激に部数が落ちて、かなり厳しい状況にあることは確かです。
そして、そんな折りにタイミングよく合併号という形で晴れ着表紙を潰してきた。
これはちょっと怪しい。
予定は予定
もちろん、少し前に書いた進行スケジュールで見てきたように、予定の上では来年12月号まで「月刊での発行」が決まってはいますが、あくまで予定は予定です。
実際、今回の合併号については、当初発表された予定になかったことであり、急遽10月にスケジュールが更新された上でのもの。
公表されたスケジュールが変更されることも、十分あり得るのです。
心の準備を
ということで、過去「晴れ着表紙をやめた雑誌は必ず1年以内に休刊している」という事実に加え、そもそも編集部があの体たらく。
私たち読者も、このままニコラが永遠に続くと、高をくくってはいられません。
そこで万一の場合に備え、セブンティーンのような季刊化、ポップティーンのようなWEB化から、ニコプチとの合併まで、様々な可能性を考え、心の準備をしておくことも必要ではないでしょうか。