学年表紙
ニコラ9月号は、林芽亜里ちゃんたち高1世代の全員表紙でした。
この学年全員で表紙に出るというのは、なんでもニコラ史上初だそうで、読者も後輩ニコモも一様に祝福ムード。
とはいえ、浮かれてばかりもいられません。実は、この学年表紙には恐ろしい”ウラ”の意味があったりするのです。
最強世代?
ニコラ創刊から24年。その間、卒業号以外で1度たりともなかった学年表紙を、今年の高1世代が初めて実現した。
そう聞くと、たしかにものすごい快挙のように思えます。05世代こそ最強世代のように思えます。
でも、大前提として05世代は、それほどの実力があるのでしょうか。ニコラ史上において、歴代ナンバーワン世代といえるほどの。
世代レベルに疑問
すると、当然ながら答えは誰が考えてもNOです。たしかに、芽亜里ちゃんの存在こそ、近年まれに見る大物ではありますが、世代全体のレベルで見れば、そこは中の下。
”めあここ”に次ぐ3枠目のイメモ(ラブトキ)に、本人も納得の上で完全に脱落した深尾あむちゃんを呼び戻さざるを得なかった事実から見ても、人材不足は明らかです。
ここで質問
だいたい、学年表紙自体、過去24年の間に1度も無かったことだって、裏を返せば、そもそもやる必要性が無かったからに他なりません。
なぜなら、卒業号で必ず学年全員による表紙が実現することになるからです。
では、ここで質問です。「あなたは、来年の卒業号の表紙も、再び05line全員だとホンキで思いますか?」
裏の意味
この点、ちょっと考えると分かりますが、卒業まであと半年ほどしかないのです。
であるなら、わずか半年後の卒業号でも、全く同じメンバーで表紙になるという可能性は、それこそ圧倒的な人気を誇る世代でもない限りかなり低いというか、ほぼゼロと言えるのではないでしょうか。
ということで、今回の学年表紙の持つ裏の意味は、ズバリ卒業表紙の前倒し。卒業号での全員表紙の伝統が、いよいよ消滅するというわけです。
卒モ表紙の終焉
でも、ここで気になるのが、どうして卒業号での全員表紙の伝統を、あえて来年からやめることにするのかという点です。
まあ、伝統を打ち破り、高2モの卒業を5月号から4月号に、また、イメモ発表を6月号から5月号に、それぞれ前倒しした現編集長なら十分やりかねないところ。
とはいえ、やるからには、そこは相当な理由があるはずです。
理由は新規読者のテコ入れ
ニコラの売り上げが減少傾向にあるのは、ちょっと前に書いた最新部数とニコラの現状でもまとめました。
実際、発売日になるとニコモがそれぞれSNSで最新号の内容や付録を告知し、読者に購入を呼び掛けるのはもちろん、編集部が率先してamazonやセブンネットによる通販での購入をすすめるようになったりと、要は厳しい状況にあるのです。
最も売れる号
そこで、売り上げを伸ばすための1つの手段が、卒モ表紙の廃止というわけです。
もともと、年間通じてニコラが最も売れる号は、新年度がスタートする直前の4月号&5月号。そして夏休み中に発売となる9月号の3冊と言われています。
で、今年から高2モの卒業を5月号から4月号に前倒し。新体制の本格スタートを、これまでの6月号から、最も売り上げの多い5月号へと移行された上で、表紙にも最も人気のある”めあここ”を起用したのです。
まだ足りない
でも、それではまだ足りない。最も売れる5月号を、思い切って新体制スタート号として改めたのに、2番目に売れる4月号の表紙が卒モ全員だと、ハッキリ言って古臭い。
ちょっと考えてみて下さい。新学期スタートの直前、新たに中学デビューするコたちが初めて、中学生雑誌ニコラを買ったとします。
しかし、表紙は卒モ卒モ卒モ。最も印象に残るであろう初めて手に取った号の表紙モデルが、さっそく次号から、もういないのでは具合が悪いのです。
せっかく顔と名前を覚えてもらっても即卒業では、あまりにコスパが悪いのです。
4月号と5月号のすみ分け
だったら、そこは4月号の表紙も現役モにしたい。それも、なるべくトップクラスの人気を誇るエース級に。
すると、今年の例からも分かるように、新体制スタートの5月号は、新生徒会長&副会長である、トップモデルのおひろめとなっています。
となると4月号は、中学生組から次世代を代表する将来の役職&イメモ候補を表紙にしてくると考えられるのです。
真の意味
ということで、今回の史上初とされる学年全員表紙は、すでに今年から実施した卒業号の前倒しに続く、現編集長による改革の一環と解釈するのが自然です。
オモテ向き「ニコラ史上初!」「団結の成果・ごほうび」と持ち上げつつ、それをウラから見ると「世代交代の手切れ金」。
伝統の卒モ全員表紙を廃止し、代わりに早いうちから次世代にチャンスを与える布石。これこそ、あえてこの時期に05line全員表紙を持ってきた真の意味なのではないでしょうか。