
冬の陽だまりが心地よい元旦。コタツの上には豪華なお節、足元には丸まって眠る茶トラのにゃんこ。
イチゴのような真っ赤な肌をした(実際、イチゴなのだが)仲良し3人組は、お茶を啜りながら、去年の元旦に予言者を気取ったまじかるが放った「ニコラ大予言2025」の答え合わせを始めることにした。
その1:ニコラ×ニコプチ合併
「さて、まずはこれだよ」
ぱっつんが手帳を広げた。
「予言その1《ニコラとニコプチは合併する》。う〜ん、まだそれぞれ別々の雑誌として出てるけど、これについてはどう説明するの? まじかるさん」
まじかるは背筋を伸ばすと、丁寧に湯呑みを置く。
「はい。それについてはですね、形こそまだ別々ですが、実態をよく見てください。ニコラの部数減少に加え、ニコプチの発行形態が、ついに隔月刊から季刊へと変更されました。これだけでも大きな変化です。そして極めつけは――」
「あっ! アレっしょ! アレ! なんか、編集長が一人で両方の雑誌を兼任することになったってやつ!」
きんぱつが身を乗り出して割り込む。
「マジ、ヤバくね? ぶっちゃけ、トップが同じなら中身もほぼ一緒になるってことじゃん。実質、もう合併の一歩手前っしょ。まじかるちゃん、これ半分当たりってことで確定!? 激アツ!」
「お褒めに預かり光栄です、きんぱつさん」
まじかるは深く頷く。
「きんぱつさんのおっしゃる通り、トップが共通になった以上、運命共同体といっても過言ではありません。私の予言は『半分当たり』と言わせていただきます」
二人のやり取りを眺めていた、ぱっつんも。
「うーん。そう言われると、ついこの間発表された新体制も『合併含み』って解釈できるかも。うん、わかった。これは半分当たりでOK」
そう言うと、納得したように手帳にメモを書き込んだ。
その2:準グランプリの新設
「じゃあ続いては、予言その2」
ぱっつんが続ける。
「えーと、《ニコモオーデに『準グランプリ』が新設される》だったね。さすがにこれは外れたんじゃない?」
しかし、まじかるは落ち着いた様子で首を振る。
「いいえ、ぱっつんさん。それは少し視野が狭いかもしれません」
そう言うと、まじかるは静かに微笑んで。
「確かに『準グランプリ』という賞はありませんでした。しかし、今回から新たに『ニコラガールズ賞』が新設されたのはご存知ですよね? これは実質的に、グランプリから漏れた才能を救い上げるための新しい枠。つまりは、私の予言の本質を突いたものなのです」
「それなー!」
きんぱつがパチパチと拍手する。
「名前が違うってだけで、やってることはマジで一緒じゃん。新しい賞ができたってニュース見たとき、ウチ、まじかるちゃんの予言思い出して鳥肌立ったし! これ、ほぼ当たりって言っていいレベルでしょ。マジ神!」
ぱっつんも納得した様子で。
「なるほどね。名前は違っても、新しい賞を当てたのはすごいよ。まあ、『専属読モ』なんて、まさにピチレモンでいう『ピチフレ』に当たるわけで、言ってみれば準グランプリのようなものだし」
これには、まじかるも満足した表情だ。
「わかった。判定は『ほぼ当たり』にするね」
その3:紙での発行終了
「えーと、最後は《紙撤退で完全ウェブ化》の予言だけど・・・。ふふふ、これはまだ本屋さんに並んでるよね?」
ぱっつんが少し意地悪そうに笑う。
「これについては、私の力不足でございました」
まじかるは謙虚に頭を下げる。
「確かに、ニコラはまだ紙の雑誌として存在しています。ですが、リニューアル後のニコラネットの充実や、ウェブ体制の強化を見れば、未来の足音は確実に聞こえてきています」
ここで、例によってきんぱつが割り込む。
「でもさ、紙のニコラがまだあるおかげで、こうやってうちら、新年に集まって、付録とか広げて盛り上がれるわけだし、結果オーライじゃね?」
そう言って明るく笑う。
「まじかるちゃんの予言が『半分』とか『ほぼ』にとどまったのは、きっと読者のみんなのニコラ愛が強すぎて、未来がちょっとバグったんだよ! ウケる!」
これを聞いて、まじかる。
「素敵な解釈、ありがとうございます、きんぱつさん。・・・さて、この勢いで2026年の私の予言も申し上げてもよろしいでしょうか?」
「次はもっとガチなやつ、期待してるからね!」
ぱっつんの期待と、きんぱつの応援。三人の笑い声が、温かいコタツの周りに響き渡った。