三月の転校生

中学生雑誌nicolaに関する日記

【応募激減】ニコラが開けたパンドラの箱

応募総数激減

今年の27期ニコラモデルオーディションの応募総数は7,706通と発表されています。(⇒応募総数比較

パッと見、ミスセブンティーンが2,971通、ニコプチが4,322通であることを考えると、相当多く感じられるかもしれませんが、実は去年と比べるとマイナス3,000弱となる大幅減。

では、その裏にはいったい何があったのか。今日は、ニコラの応募総数が激減した理由について考えます。


グラフの見方

まずは、以下に示す「合格者に占める無所属応募者の割合」をまとめたグラフを見て下さい。

これは、過去5年分の3誌のオーデにつき、それぞれ合格者の内訳を「事務所所属」「無所属(一般応募)」で分類したものです。

グラフは緑色が所属者で、赤が無所属。ここでの所属の有無とは、応募時の状態をいいます。

合格者の所属状況



セブンティーンの場合

さて、どうでしょう。最もわかりやすいのがセブンティーンで、円グラフは緑一色。合格者に占める事務所所属者の割合は100%となっています。

過去5年、合格者の全てが事務所に入っている人ということで、一般の読者がセブンティーンに合格者するのは、もはやほぼ不可能といえそうです。

なお、最後に無所属が合格したのは今から6年前。ミスST2018の大友樹乃さん&高橋アリスさんとなります。

プチの場合

上のグラフからも明らかなように、ニコプチも分かりやすくなっています。

5年前こそ無所属の割合が10%台ということで、極めて低くなっていますが、それ以後は4年連続して30%前後で一定。

基本的に、所属者7割、無所属3割を目安として、一般応募には各回ほぼ2人の採用枠があることが見えてきます。

ニコラの場合

そして、問題のニコラです。もともとニコラオーデは、第1回より一貫して「事務所に所属していないこと」が応募条件とされていました。

それが2022年。去年の実施分より、突然の方針転換でプロ解禁。ミスSTやニコプチ同様、ニコラもオーデでも、事務所に所属している人が応募できるようになったのです。

すると、合格者の割合はどう変化したか。改めて、グラフを見てみましょう。

合格割合(ニコラ抜粋)



解禁後に逆転

当然ながら、解禁後の合格者の割合も変化します。

それまで、合格者の100%が無所属だったところ、解禁初年度(2022年)には、さっそくエイベックスから松田美優ちゃん、スターダストから国本姫万里ちゃんが合格し、一気に無所属の割合は50%へと半減。

そして今年。ご存じの通り、エイベックスの松尾そのまちゃん他、事務所に所属している3人が合格。

一般応募からの合格は、十文字陽菜ちゃんただ1人だけとなってしまったのです。

パンドラの箱

つまり、ニコラはパンドラの箱を開けてしまった。

いったん事務所所属者に応募を開放したら、二度と後戻りはできません。

そこは、雑誌の休刊が相次ぎ、とくに中学生雑誌はニコラ1誌だけという現状にあって、子役出身、アイドル出身、子供モデル出身はじめ、とにかくこの年代の女のコのモデル志望者は、需要を大きく上回っているのです。

事務所の意向

そこで事務所としては、自社の抱えるタレントを1人でも多く、雑誌の専属モデルに押し込みたいところ。

よって、ニコラ編集部の一存で、「やっぱり、オーデを無所属限定に戻します」「次から、事務所に入ってるひとは応募できません」なんて路線の再変更は、なかなか通らないのです。

量より質

もちろん、今年の27期オーデが「史上最高レベル」と言われているように、事務所に開放した効果は、応募者・合格者の”質”に限って見ると、てき面です。

しかしその反面。応募総数が激減したように、”量”の面で副作用を伴いました。

要は、「なんだ、ニコラのオーデも結局セブンティーンやプチみたいに、事務所に入ってる人しか受からないんだ」といった認識が、読者の間で定着しつつある。

超高レベルの戦い

結果として、ニコモオーデの最大の特性であった「読者の誰にでも、ニコモになれるチャンスがある」「私もになれるかもしれない」といった”夢”(=応募総数の多さ)が、事務所所属者への門戸開放により、見事に打ち砕かれてしまったのです。

そりゃそうでしょう。

テレビでバリバリ活躍するそのまちゃんや、芸歴10年超の梨里花ちゃん、さらには「TGCオーデ」で8,000人の頂点に立った上妻美咲ちゃんたちと同じ土俵で勝負して、一般の読者が勝てるわけがありません。

激減の理由

さすがに、読者は正直です。今年の合格者のレベルがあまりに高かったため、来年以降の応募総数がさらに減ることは確実です。

ニコラのオーデも他誌同様、プロ同士の戦いがメインとなった今、どうせ受からないと思ったら受ける人はいなくなる。

ということで、こういった読者の不信こそが、去年に比べ3,000も減り、2009年の実施回以来14年ぶりに1万の大台を割ることになった応募総数の激減の正体といえるのです。

3,000台まで下がる

すでに書いたように、もはやこうなってしまっては後戻りはできません。再び読者に希望を与え、応募者を1万台に回復させる術はありません。

ニコラの応募総数は毎年のようにグングン減っていき、やがて数年後にはセブンティーンやプチと同じ3,000前後で下げ止まるはずです。

では、これからどうすべきかですが、ニコラに残された道はただ一つ。もはやセブンティーンやプチと同様の道を進むことしかありません。

まとめ

つまり、合格者を4人(5人)に固定して、そのうち3人(4人)を事務所に所属するコとし、即戦力や知名度を重視する。

一方、残る1枠を申し訳程度に一般応募から採用する。もしくは、セブンティーンのように、いっそのこと全員事務所組でもいいかもしれません。

とにかく”質”を重視し、それこそ無所属のコについては、今年の陽菜ちゃんのようなとても一般応募とは思えない超一級の逸材に限って採用する。

いずれにせよ今後、ニコラのオーデに一般の読者が合格するのは相当難しくなったことだけは間違いなさそうです。