プロvs.一般
今年のニコラモデルオーディションは、芸能事務所に所属している人も応募できるということで、ちょっとした話題となっています。
実際、ニコラのオーデ史上、こうした”プロ開放”は初の試みなわけですが、そうなると必然「芸能事務所に所属している人も応募してくるなら、合格は例年以上に難しくなるのでは?」といった疑問が出てくるところです。
そこで今日は、一般応募組が不利になるというのは本当なのか。過去のオーデの例を基に検証します。
ルール変更
「今年のオーデは、事務所に所属しているコも応募OK!」。
そう聞くと、去年までのオーデでは、完全に芸能活動経験者が排除されていて、一般応募者のみによる競争だったと受け取る人も多いかもしれません。
たしかに、これまでのオーデはルール上「応募時、どこの事務所にも所属していないこと」が条件となっていましたので、形の上では全員が一般応募ですが、ポイントはこの”応募時”という言葉だったりします。
あくまで”応募時”
要は、応募する時にさえ”無所属”であれば、過去の所属歴・活動歴は一切問われないということなのです。
そこで、池未来実ちゃんや、吉岡優奈ちゃんのように、「ニコラに応募するため、事務所を辞める」といった選択も出てくるのです。
無所属ルールの本質
であるなら、それはもう、形式上「一般応募」となりますが、ほんの数カ月前までは、事務所に所属する”プロ”だったわけで。
こうして実は、ニコラのオーデにおいても、すでにとっくの昔から「プロ開放」に近いことは行われていたといえるのです。
他誌オーデとの違いは、応募する瞬間に「事務所に籍があるかないか」だけ。応募する直前までに、事務所を辞めていればよかったのです。
本気度を計る
まあ、それはそれで、応募者が自身の所属する事務所を辞めてまで、ニコモになりたいというなら、編集部としては歓迎すべきことでした。
なんといっても、退路を断って挑戦してくるコについて、応募時無所属ルールにより、その「本気度」を計ることができたのですから。
一覧の見方
ということで以下、そんな本気度を見せ、ニコラに応募して来た”元プロ”を中心に、芸能活動経験のある過去の合格者について確認してみます。
次に示す一覧を見て下さい。これは、現役ニコモで最も古いオーデ回である、組橋星奈ちゃんが受かった21期(2017年オーデ)以降、去年の25期(2021年オーディション)までの全合格者につき、ニコラ応募前までの芸能事務所への所属歴・芸能活動経験をまとめたものです。
経験者については、かつて所属した事務所名と主な活動内容を記入しています。
オーデ期別芸能活動経験歴
23期の場合
まず目を引くのが、最も経験者が多く受かった2019年実施の23期です。この回は、なんと合格者のうち過半数がプロ、もしくはセミプロでした。
たとえば近藤結良ちゃんは、ニコラ誌面によく新人募集の広告が掲載されるテアトルアカデミー所属で、すでに映画やテレビCMの出演経験もある子役出身。
優奈ちゃんは、未来実ちゃんの事務所の後輩で、同じアイドルグループ所属。未来実ちゃんが関西4期、優奈ちゃんは同5期となります。
河村果歩ちゃんは、「キラチャレ2018」のファイナリスト。前年にはプチモオーデにも挑戦したように、当時、様々なオーデを受けまくっていたセミプロです。
24期の場合
2018年実施の22期も同様。加藤咲希ちゃんは、地元の大阪の芸能事務所アイランドプロモーションに所属し、今は休刊となったファッション雑誌「DreamGirls」(ドリームガールズ)の第2期専属モデル。その後、2017年度ジェニィガールとして活動しています。
咲希ちゃん本人は、ニコラのマンガ「ニコモになるまで」で、自身の小学時代につき「陰キャだった」「芋かった」と振り返っていますが、完全な自虐ネタです。
一方、深尾あむちゃんは、カナダから帰国後、間もなくダンスユニット「a♥mo」メンバーとして活動し、その後、第4期ジュエルナガールに選出されています。
即戦力として
とまあこんな感じで、実はニコラのオーデにも、元プロ・セミプロがいっぱい潜んでいたりするのです。
単に、応募時に事務所に所属していなかっただけで、芸能活動経験のある合格者は、意外に多いのです。
編集部としては、こうした経験者は即戦力として期待できるうえ、事務所を辞めて応募して来ることで本気度の裏付けもあるため、極めて採用しやすかったというわけです。
方針転換
ところが、冒頭に書いた通り、今年から方針が大転換。あえて、現役の事務所所属者にも門戸を解放した理由は?
この点、さすがに最終的に受かるかどうか分からないオーデに、事務所を辞めてまで挑戦するコは、強いニコラ愛があることは確かですが、ものすごく少数派です。
対して、事務所が抱えるタレント卵、女優の卵といったモデル候補生は数多くいます。
そこで編集部は、どうせプロを採用するなら、「本気度の高い少数派」より、「事務所に所属する多数派」から選考するという方針へと転換したのです。
元プロの不発
当然、その裏にあるのは”経験者”の伸び悩み。ちょっと改めて、上の一覧を見て下さい。
未来実ちゃん&咲希ちゃんは、イメモからも役職からも完全に落選。
結良ちゃん&果歩ちゃんも、同学年である後発オーデ加入組の高橋快空ちゃん、足川結珠ちゃんに抜かれ、その差はますます開いていくばかり。優奈ちゃんも同様です。
現役のプロに触手
唯一、経験者枠からイメモに入った、あむちゃんでさえも、同学年での人気順みると、同期一般枠である野崎奈菜ちゃんより明らかに下。
ということで、現に事務所に所属していない経験者(元プロ)が思いのほか”使えない”というケースがあまりに続いたため、これにしびれを切らした編集部が、いよいよ現役バリバリの所属者に手を伸ばしてきたといったところでしょうか。
恐るるに足らず
ということで、今日の本題に戻り、ここまでの話をまとめると、ニコラのオーデにおいて、一般応募者はすでに経験者(元所属者)と競争して来たということ。
これに、奈菜ちゃんや快空ちゃん、結珠ちゃんの例からも分かるように、明らかに一般組が勝利し続けてきたということ。
そこから導かれる結論は、芸能活動経験者なんて恐るるに足らず。今回のプロ解禁というルール変更にひるまず、未経験である人こそ、ぜひ自信をもって挑戦してみて下さい。