◆応募経緯問題
ニコラ10月号のオーデ体験マンガ「わたしがニコモになるまで」にて、今も一部の読者の間で疑問が持たれている吉岡優奈ちゃんのオーデ応募経緯について、初めて編集部による見解が示されました。
一言でいえば「応募時、すでに事務所をやめていたから問題なし」。マンガの中でのセリフだけでなく、欄外の本人コメントでも、念を押しています。
ということで今日は、やっぱり優奈ちゃんの応募経緯は公正だったのか。それともまだ疑問の余地が残るのか。改めて一連の騒動を検証します。
◆問題の発端
まずは、最近ニコラを読み始めた人の中には、この騒動を知らないという人も多いかと思うので、最初から振り返ります。
ことの発端は、優奈ちゃんが、もともと「吉山ゆりな」の芸名で事務所に所属し、オーデ応募後も芸能活動をしていたことが判明したため。
もちろん、過去の芸能活動自体は何ら問題ありません。ただし、ニコラのオーデは「応募時事務所に所属していないこと」が絶対条件。
もしも応募する際、事務所をやめていなかったら、それはルール違反となるため、今回のマンガの中でも、芸能活動をしていたこと自体は認めつつ、「すでにやめていた」と強調しているわけです。
◆何が問題なのか
では、実際のところどうなのか。この点、うちのサイトとしては、優奈ちゃんが小5まで所属したアイドルユニットの公式ブログに、「6月23日に最後のお仕事」「6月いっぱいで卒業」と書いているのを問題視したわけです。
以下、2019年6月1日更新された優奈ちゃんのブログ「ゆりなです☆おしらせ」より引用。ただし、この記事は現在、すべて削除されていますので、原文に当たりたい人は去年撮っておいたスクショを参照してください。
◆ブログより引用
◆引用について
上の引用部分のうち、「青い線」と「青い文字」は、うちのサイトで独自に付けた解説です。
また、「赤い丸囲み」と「番号」が、読者の間で問題とされている記述です。
そこで以下、これの何が問題なのか。また、今回のマンガでどう解決されたのか。順番に見ていきます。
◆(2)最後の撮影会
順番が前後しますが、まずは(2)から片付けます。この点、ブログに記述されている通り「6月23日にお仕事をしているじゃないか!」というのが問題となりました。
そもそも、優奈ちゃんが応募した去年の第23期オーデの締め切り日は「6月18日」でした。
つまり、私たちニコ読は「締め切り後にお仕事をしている=事務所に籍がある」と解釈し、これは応募条件の「応募時、芸能事務所に所属していないこと」に反しているという理屈です。
◆無事解決
しかしこの点に関しては、今日の最初のところで書いた通り、今回のマンガで解決されました。
作中で、しきりに優奈ちゃんが「事務所をやめてから応募した」「事務所をやめた後に、前からもともと決まっていたお仕事があって、それには参加しなきゃいけなかった」と語っています。
ようは、応募時に事務所はやめていた。ただし、物議をかもした応募後の撮影会のお仕事は、前々から入っていて、どうしてもキャンセルできなかったので、仕方なく、それでも前向きに参加したというわけです。
◆(1)6月いっぱいで卒業
続いては、(1)の「6月いっぱいでバンビーナを卒業」という部分について検討します。
バンビーナとは、脚注にもあるように、当時の優奈ちゃんの所属事務所。かつて池未来実ちゃんも所属していたところです。
そこを「6月いっぱい」で卒業。つまり、退所することを、6月1日のブログにて予告しているわけです。
◆こっちはグレー
常識的に考えて「卒業=退所」。さすがにこれを、「応募前(6月18日以前)に事務所をやめていていた」で押し通すのは難しそう。
もちろん、あえて表にしないだけで、実際は5月中に事務所をやめていたものの、残ったお仕事をこなすため、とりあえずブログ上でファンに対しては「まだやめていない」「6月いっぱいは続ける」と告知したと考えることもできないわけではありません。
しかし、そんな裏にあった契約など知る由もない、ブログを見た私たちニコ読は100%、「6月18日のオーデ締め切り時点で、優奈ちゃんは事務所をやめていない」と受け取ることになります。
◆回避すべきだった
前者(実はやめていない)は完全アウトで論外ですが、仮に後者だとして、実際は事務所をやめていたけれど、ファンの手前、まだ事務所をやめていない体でブログに記述する。こんな紛らわしいことをすれば、疑いを持たれるのも当然です。
だからこそ優奈ちゃんサイドとしては、現実にやめていたとしても、応募締め切り後に入っていたお仕事をキャンセルできなかった時点で、とりあえずその年のニコラへの応募は避けるべきだったのではないでしょうか。
◆編集部の責任
一方、オーデ主催者である編集部サイドの責任は、もっと重大です。
このネット時代。すぐに素性がバレるわけです。ブログもすぐに発見されます。
2次審査に進んだ際、過去の活動歴や事務所の所属状況を照会し、優奈ちゃんの現状を知った時点で、編集部お得意のフレーズ「ぜひまた来年、挑戦してください」と、とりあえず丁重にお断りすべきだったのです。
◆ニコラのオーデの今後
とまあ、すでに終わったことをいつまでも言い続けても仕方ありません。
大切なのは、今後、同様のケースがあった場合、どう対応すべきかです。
そこで今回のケースが、これからのニコラのオーデの実施にどんな悪影響をもたらすかを含め、見ていきます。
◆応募するなら辞めて来い
そもそも、ニコラのオーデの起源は一般読者のためのオーディション。新垣結衣さんも、川口春奈さんも、能年玲奈さんも、藤田ニコルさんも、池田エライザさんも、久間田琳加さんも完全な一般応募からスタートしました。
ただし、芸能活動経験者に対して、一律に門戸を閉ざしているわけではありません。
ルール上は「応募時、事務所に所属していないこと」。つまり「応募するならやめて来い!」ということです。
◆過去の前例
実際、ニコラへの応募に際し中村里帆さんは、せっかく所属したライジング(当時はヴィジョンファクトリー)をやめたし、未来実ちゃんもバンビーナを応募の前年にやめています。
こうしてニコラのオーデは、事務所に所属しつつ、数あるオーデの1つとして安易に応募するのではなく、退路を断ち覚悟をもって挑戦してくる人のみ、応募可能というわけです。
◆ルールの形骸化
ですが、今回の経緯を、事務所に所属している人で、まだ辞める覚悟はないがニコラに興味のある人が見た場合、どう考えるでしょう。
事務所に所属していても別にいいんだ。バレなきゃいいんだ。書類が受かったのを確認してから事務所をやめてたとしても、後から「すでにやめてた」といえば何とかなりそう。
応募条件としての「応募時、事務所に所属していないこと」が、各段に軽く見られるようになってしまうのです。
◆ノーリスク戦法
するとどうなるか。事務所に所属しつつ、それを隠して応募。もし書類で落ちたら、そのままあきらめる。
一方で、もし書類に受かったら、そこで初めて事務所を辞ればいい。その際の言い訳はどうにでもなる。
こうして、事務所に所属する人にとって、何ら覚悟のいらないノーリスク戦法がまかり通るようになってしまうのです。
◆不信を持たれないために
今回の優奈ちゃんの件は、実際のところがどうであれ、少なくとも外形上はノーリスク戦法の部類。変な先例となってしまいかねません。
そこで編集部には、今後のオーデではルールを厳格に適用し、どうみても怪しい場合は躊躇なく落とすといった対応が求められます。
オーデが公正であることを示す意味でも、読者や応募者から、合格者の応募経緯に不審を持たれないようにすることが重要です。