◆事務所オーデと顔みせ
ニコラ専属モデル清原果耶さんの、ニコラ公式サイトにおけるニコモプロフィール。「モデルになったきっかけは?」の問いに対し、事務所オーディションと回答しています。
ニコラのモデルになるための方法として、(1)ニコモオーディション、(2)ニコプチ進級の2つは、すでに良く知られていてるところ、この(3)事務所オーデについては、なかなか情報も少なく、イマイチ分かりずらい制度といえます。
そこで「ニコラの専属モデルになる方法2017」シリーズの第2回の今日は、事務所オーデなる制度について取り上げ、もう1つの方法である顔みせと比較しつつ、この難解な仕組みを分かりやすく解説してみます。
◆パターン整理
本題に入る前に、改めてニコモになるパターンを、図にして整理します。その方法は以下の通り、まずは「事務所に所属している人」「所属していない人」で大分類。
その後、所属している人については、さらに細かく「ニコプチ進級」「事務所オーデ」「顔みせ」に小分類します。
以下、このうち誰でも分かるニコプチ進級は除き、事務所オーデと顔みせという、残る2つの方法に絞って説明します。
◆ニコモへの道(簡易版)
◆大雑把な解説
ニコモオーディションは、事務所に所属してない人だけが受けられるわけですが、基本、フツーの女の子である読者がニコモになりたいと思った場合、このニコモオーデに合格する以外、道はありません。
一方で、事務所に所属している場合。こちらは逆に、ニコモオーデこそ受けることは出来ませんが、その代わりに「事務所オーデ」「顔みせ」と呼ばれる、事務所に所属している人だけを対象とした選考に参加することが出来ます。
なお、事務所に所属している人の例外パターンとして、ニコプチ専属モデル卒業生から毎年1人だけ、まるで付属小学から進級するように直通でニコモになれる「ニコプチ進級」という方法もあります。
◆ここから本題
ということで、大まかに全体像を整理したところで、ここから今日の本題である事務所オーデと顔みせの違いに入ります。
まずは両者の違いを説明した上で、続けて実際にニコラでは、それぞれがどういった意味&定義で用いられているのか。ニコラ独自の語法・呼称についても確認していきます。
◆事務所オーデとは?
一般的に、事務所オーデと顔みせは全く別物とされています。事務所オーデは、事務所に所属してる人だけを対象にしたミニオーディション。
実施するに当たり、編集部が様々な芸能事務所やモデル事務所に参加を呼びかけ、「事務所すいせん」といった形で応募者を募ります。
その際、「各事務所○人まで」といった応募数の割り当てがなされ、事務所側は内部で参加者を募ったり、選考したり、声をかけたりして、自社の代表を決定します。
こうして、いよいよミニオーデの実施。もちろん、集まってくるのは各事務所"お墨付き"の面々ですので、いわば、書類選考ナシで、イキナリ2次審査(面接・カメラテストなど)に突入といった感じです。
◆事務所オーデの具体例
そんな事務所オーデにつき、最も分かりやすい実施例が、ニコプチの2014年12月号の場合。同号では、西川茉佑ちゃんや伊藤小春ちゃんなど、一挙まとめて5人の新プチモが加入しました。
このとき、「プチモオーデがあったわけでもないのに、なぜイキナリ5人も加入!?」と思った読者も多いかと思いますが、まさにこれこそ秘密裏に行われた事務所オーデによるもの。
まあ、秘密といっても、小春ちゃんの個人特集「プチものがたり。」では、事務所オーデへの応募から合格まで、その様子が描かれていたりもしますので、興味のある人はニコプチ2015年4月号を見てください。
ということで、事務所オーデの特徴としては、その名の通り、ある程度の規模でオーデを行うわけですので、そこそこの人数がまとまって合格し、同時加入するケースが多いといえます。
◆顔見せとは?
一方の顔みせ。こちらは基本、個別面接となります。かつてのニコラ公式サイトのモデルプロフィールページや、ニコラ本誌のモデルプロフィール特集において、ニコモになった経緯につき「マネージャーさんと一緒に編集部に顔みせに行って」「編集部で面接して」と書かれているのを目にした人は多いかと思います。
事務所が売り込み、編集部と話をつけ、面接に持ち込む。あとは、本人にマネージャーが付き添い、編集部まで出向き、採用面接。これにより合否が決まることになります。
こちらは、いわば書類審査に加え、2次審査もすっ飛ばし、一般オーデでいうところのイキナリ最終審査進出といった感じの最短コースといえます。
◆ニコプチ組も一種の顔みせ
この点、ニコラ現役では香音ちゃんや黒坂莉那ちゃんに代表されるニコプチ進級も広い意味では顔みせといえるかもしれません。
実際、2011年に進級した飯豊まりえさんは「ニコプチ卒業した際、ニコラ編集部から声をかけてもらって」。2010年進級の七木奏音さんは、「卒業を期に、編集部に面接に行って採用」と語っています。
こうしてみると、ニコプチ組による顔みせは、事務所主導でなく完全に編集部主導であるという点、さらには合格を前提とした面接であるという点で、一般的な顔みせとは異なりますが、個別面接によるという形から、基本的に顔みせの一種であるともいえないこともなさそうです。
◆呼称の変化
しかしここで、ある大問題が発生します。ニコラ編集部は、事務所オーデと顔みせについて、元々はしっかり使い分けていたところ、最近は意図的に混同している、というか、両者まとめて事務所オーデと呼称する傾向にあるのです。
少なくとも2012年までは、本誌や公式サイトのモデルプロフィールにおいて「事務所オーデ」「顔みせ(編集部面接)」とハッキリ記述していましたが、2014年あたりからは、顔みせの表記はジワジワ消えて、事務所オーデで統一するようになったのです。
加えて、今年7月号の学力テスト企画では、初登場のクロちゃんについて、「編集部スタッフの人数を答えよ」という問題につき、「オーディションを思い出せ!」とあったように、今後はニコプチ進級も含め、事務所オーデと呼ぶ方針なのかもしれません。
◆事務所オーデで統一?
たしかに、「オーディション=選考会、審査会、試験」の意味であることから、個別の面接である顔みせも、オーディションの一種であるといえばその通り。
事務所に所属する人を対象としたオーデ(=選考)ということで、広い意味では間違いではありません。
事務所オーデだの、顔みせだの、面接だの、イチイチ分析して細かく呼び分けるより、一般オーデによらない事務所組の採用を、事務所オーデで統一するほうが、読者にとってもむしろ明解です。
ということで、少なくとも現在のニコラにおいては、事務所オーデと顔みせの区別はなくなり、ニコモオーディション以外の加入方法の呼称を事務所オーデで統一する方向にあるといえそうです。
◆TGA顔みせの登場
なお、最初にあげた分類図について、本来は「顔みせ」であるべき部分が「TGA(東京ガールズオーディション)⇒顔みせ」となっていることに気づいたでしょうか。
これは、もちろん草野星華さんの加入経緯を表すわけですが、この草野さんのケースは、上で書いてきたような一般的な顔みせとは明確に異なっているため、あえてTGAと表記しています。
ただし、ここに踏み込むとTGAの5次ドラフト審査の仕組みから説明しなくてはならなくなり、ますます長文になりすぎるため、さすがに今日はここまでとし、草野さんの加入経緯については、次に更新する第3回分に回します。