◆情報戦
今年の役職&イメモについては、事前に読者を惑わす様々なニセ情報が飛び交いました。
終わってみれば林芽亜里ちゃん&阿部ここはちゃんを中心に、超順当な結果となったわけですが、一連の編集部の作戦に、まんまと引っかかってしまった人も多かったのではないでしょうか。
そこで今日は、予想の反省会。公式発表に先立ち、どんなニセ情報が流され、これを読者はどう誤解したのか、検証します。
◆ダミーは2人
今回、編集部が用意したダミー(身代わり)は、イメモ&役職ともに1つずつ。
本当は生徒会長じゃないのに、いかにも生徒会長であるかのように深尾あむちゃんを。
本当はイメモじゃないのに、いかにもラブトキに決定したかのように北川花音ちゃんを、それぞれ仕立て上げました。
以下、事前にどんな情報が流され、それを読者はどう解釈したのか、個別に見ていきます。
◆生徒会長の偽装
まずは編集部が取った、あむちゃんを生徒会長だと信じませる作戦から振り返ります。
作戦その1として、4月号で予告された次号ニコ学のタイトルが「おかえり生徒会長」だったことがあげられます。
そもそも、新高1の中で、直前までニコラのお仕事を休んでいたのは、あむちゃんだけ。よって、このニコ学のタイトルを根拠に、読者の多くが「これは、復帰したあむちゃんの生徒会長就任を意味している!」と解釈したわけです。
◆「おかえり」の対象は?
ところが、実際に5月号に掲載されたニコ学はといえば、読者の想像とは全く違ったストーリーでした。
すでに読んだ人はご存じの通り、生徒会長ここはちゃんが、生徒会メンバーと協力して、学園を立て直す物語という。
では、読者を惑わした問題のキーワード「おかえり」については、いったいどんな風に決着がつけられたのでしょうか。そもそも、いったい誰に対する「おかえり」だったのでしょうか。
◆ニコ学のあらすじ
すると、その答えはかなり意外なものでした。「おかえり」は、なんと生徒会長である、ここはちゃんに対してのものだったのです。
物語上の設定を整理すると、こんな感じ。ここはちゃんは、いったん小4でニコ学から転校して行ったものの、その後、中2になったとき、再びニコ学に転入して来たことになっています。
よって、タイトルの真意は「おかえり、ここはちゃん」というわけです。でも、ちょっと待ってください。
◆設定を整理
物語の設定として、登場人物紹介欄に、ここはちゃんがニコ学に戻ってきたのは「中2」とあります。
また、「ニコラ学園では中3の冬に生徒会長選挙がある」とも書かれています。
これらをまとめると、中2で学園に戻って来た、ここはちゃんは、中3の冬に生徒会長選挙に出馬。みごと会長に当選したわけです。
◆タイトルで誘導
ということは、ここはちゃんがニコ学に復帰した時点(中2)では、まだ生徒会長の役職に就任していないのは明らかです。
ここはちゃんは、当然ながら「生徒会長」として帰ってきたわけではなく、単に「いち生徒」として帰ってきたわけです。
だったら、今回のニコ学のタイトルである「おかえり生徒会長」につき、「おかえり」が「生徒会長」に係るというのは、表現として絶対にあり得ないのです。
◆悪質なこじつけ
まさに、編集部による意図的な誘導。あえて「おかえり」という表現を使うことで、また、あえて対象を「おかえり⇒ここはちゃん」ではなく「おかえり⇒生徒会長」とぼかすことで、あむちゃんこそが生徒会長であると、読者に信じ込ませたのです。
とはいえこの誘導は、上で見てきたように、表現として間違っているわけで、ニセ情報そのもの。
今回のニコ学のタイトルは、次号ゲストでニコラにやって来る清原果耶さんの朝ドラ「おかえりモネ」のパロディという面を考慮しても、そこは読者をダマすための”こじつけ”としか言いようがありません。
◆アムココメアナナ
一方で、「読者に対して、次期生徒会長を推理するための情報を小出しに与え、予想を盛り上げる」といった正統な予想材料といえるのが、作戦その2としてのニコラ公式サイトのアンケートに書かれていた語順です。
次号予告の4大キャラ特集のタイトルが「アムココメアナナ」という順番だったため、これまた「あむちゃんが会長であることを示している!」と話題になりました。
ですが、ふたをあけてみれば、この特集ページは2ページの見開きで、左からアム⇒ココ⇒メア⇒ナナの掲載順だったという。
要は、見開きの中央に配置された2人(ココメア)が、それぞれ生徒会長&副会長だったという仕掛けであり、これなら「なるほど!そういう意味だったのか!」と納得できる、ある種”いじわるクイズ”的なものといえそうです。
◆花束ペア
さらに作戦その3。あむちゃん生徒会長ダミーのダメ押しが、ニコラ卒業式における花束贈呈ペアとなります。
卒業式動画を見た人はご存じの通り、あむちゃんのお相手が若林真帆ちゃんだったのです。
まさに「旧会長⇒新会長」のリレーということで、これを見た読者は、「あむ会長確定!」と一斉に盛り上がったものの、けっきょくダミーだったわけです。
ということで以上みてきたように、ともかく編集部は「あむちゃん会長説」を、これでもかこれでもかと徹底的に読者に刷り込んできたのです。
◆イメモの偽装
続いては、イメモのダミーです。結果的に、芽亜里ちゃん、ここはちゃん、あむちゃんと、新高1世代のトップ3が、そのまま順当にイメモ就任となったわけですが、その裏では今回の陰の主役である北川花音ちゃんこそが、ラブトキのイメモであると、終始ほのめかされ続けました。
具体的には、多くの読者が指摘していたように、花音ちゃんがニコスナで突然ラブトキを着用し始めたこと。
また、ラブトキの公式インスタが、花音ちゃんをフォローしていることがあげられます(当時、新高1では花音ちゃんと芽亜里ちゃんだけがフォローされていた)。
◆ノントキ説の根拠
花音ちゃんは、5月号の9ページで「ガーリーを極める!」と宣言しているように、そもそもがガーリー志望。ラブトキとは縁遠い関係にあります。
ところが、そんな花音ちゃんが、ある日を境にラブトキに傾倒し始めたことに、読者はさっそく反応します。
◆過去のパターン
思えば2020年。イメモ発表を前に、町田恵里那ちゃんが突然テイストを変え、SNSにラブトキの新作を着用した姿を投稿し始めました。
2019年も、レピピ大好き青井乃乃ちゃんが、突然ラブトキに宗旨替えした上、ラブトキ公式からもフォローされました。
で、結果どうなっかとえいば、数か月後、両者ともにラブトキのイメモに収まったわけです。
◆条件に合致
こうした前例から、「突然、これまでのテイストと異なるブランドを連投=イメモ内定」「公式からフォロー=イメモ内定」というのが定番。
まさに今回の花音ちゃんが、これらの条件にピッタリ合致したため、読者の間で一気にノントキ説が広まったのです。
◆花束でも
加えて、きわめつけが卒業式の花束の受け渡し。なんとなんと、恵里那ちゃんに渡したのが花音ちゃんだったという。
もはや、ここまで周到に準備されたら、読者は信じるしかありません。
こうして最後の最後まで、花音ちゃんがラブトキのイメモであると読者に思わせるための情報が流され続けたのです。
◆花束ペアまとめ
◆編集部の思惑
もちろん、めあここむーちょの3人で決まることになる今回のイメモ&役職の発表が、あまりに順当すぎてイマイチ盛り上がりに欠けることは、疑いようがありません。
だからこそ、少しでも盛り上げようと、ダミー情報を提供した編集部の思惑も、理解できないわけでもありません。
それでも、ニコ学のタイトル偽装や、花束の件は、さすがにやり過ぎ。”匂わせ”の範疇をはるかに超えていて、悪質ですらあります。
◆もっと丁寧な対応を
だいたい、ダミーを演じさせられたニコモ本人(あむちゃんはイメモで救済)はもちろん、「推しがイメモになれる!」「推しが生徒会長だ!」と、期待させられたそれぞれのファンの気持ちはどうなるのか。
ギリギリまで役職&イメモの発表を引っ張り、推理ゲーム感覚で誰が就任するか盛り上げるための材料の提供は結構ですが、やるならやるで、来年以降ぜひ編集部には、もう少し丁寧な方法を取って欲しいと思います。