6代目編集長
先月13日に新潮社の公式サイトで発表された通り、今月1日付でニコプチの馬場編集長が、ニコラの編集長に就任。
ニコラ9月号より、目次ページ右下の奥付に「編集長:馬場すみれ」と表記されています。
そこで今日は、ニコラ創刊以来の伝統となっていた編集部員⇒副編集長⇒編集長と続く昇進ルールを基に、改めて今回の人事の異例さを確認します。
リストの見方
まずは、以下の「歴代ニコラ編集長×副編集長リスト」を見て下さい。
これは、ニコラ創刊号以来、歴代すべての編集長・副編集長の組み合わせをまとめたものです。
5代と6代の間に「久保田編集長代行」の時代がありますが、役職上、あくまで代行であり、編集長ではないので、リストからは除いています。
歴代ニコラ編集長×副編集長
代数 | 編集長 | 副編集長 | 任期 |
---|---|---|---|
初代 | 宮本和英 | 山元琢治 | 創刊~2003.04 |
2代 | 山元琢治 | 松本美帆子 | 2003.05~2007.11 |
3代 | 松本美帆子 | 眞部菊実 | 2007.12~2012.08 |
4代 | 眞部菊実 | 小島知夏 | 2012.09~2017.06 |
5代 | 小島知夏 | 久保田裕子 | 2017.07~2022.06 |
6代 | 馬場すみれ | 久保田裕子 | 2023.09~ |
編集長になるまで
この通り、ニコラの編集長は、副編集長から昇進するものであることが分かります。
まずは、ヒラの編集部員としてニコラ編集部に配属。そこから3年~6年を経て、副編集長に昇進。
さらに副編集長を5年ほど務めると、いよいよ編集長に昇進することになります。
副編⇒編集長へ昇進パターン
外部招聘
こんな感じで、5代目の小島編集長まで、完璧にパターン通りに人事がなされてきたわけです。
ところが今回。通常なら6代目編集長には、久保田副編集長が昇進する番だったところ、新編集長は、まさかの外部からの招聘。
まあ、外部とはいっても、姉妹誌ニコプチの編集長であり、しかも、元をたどればニコラ編集部員だったわけで、完全な”外の人”ではありませんが、それでも、ニコラ副編集長を経験していない上、16年ぶりのニコラ出戻りということで、異例中の異例というわけです。
新しい風
では、そんな前代未聞の人事には、新潮社上層部のどんな狙いがあるのでしょうか。
もちろん、部数が低迷するニコラの立て直しです。
そもそも、ニコラ編集部に10年近く在籍し、その風土にどっぷり浸り、ニコラを知り尽くした”生え抜き”の編集長では、思い切った改革や変革が出来るはずありません。
自身が副編集長として仕えた先代の編集長と、全く違った方向性を打ち出すことなんて不可能なのです。
劇薬
そこで、かつてのニコラ編集部員としての経験はもちろん、なにより、ニコプチの創刊から携わり、編集長として軌道に乗せた手腕が買われ、まさに劇薬としてニコラの立て直しのために呼び戻されたといったところ。
裏を返せば、セブンティーンやポップティーンの例を見るまでもなく、今のニコラの切羽詰まった現状の証明ともいえるのです。
果たして、内部昇進ルールを崩してまで勝負に行った結果はどう出るか。数年後には「部数」という形で明らかになるはずです。