◆ニコプチ3人採用の背景
ニコラの専属モデルは、加入してくる学年こそバラバラですが、卒業は一律で高2の5月号となっています。
であれば、各年ごとに最終的な卒業生の数を比較することで、1つの学年(世代)における定員の最大値&最小値が見えてくるわけです。
今日の三月の転校生では、卒業生の数を過去10年分さかのぼって割り出した学年定員の基準値を基に、今年のニコプチ採用が異例の3人となった背景について考えます。
◆年度別の卒業生一覧
◆一覧の見方
上の一覧は、ニコラ5月号において卒業となった新高2モの数を、過去10年分さかのぼって、年度別にまとめたものです。
たとえば、今年2018年の卒業生は、香音ちゃんや清原果耶さんたちで、その数5人。去年は、鈴木美羽さんや久間田琳加さんたち7人といった具合。
なお、この間、特別な事情により任期の途中で卒業することとなった、先月号のオルトン花菜ベティちゃんや、2009年の笠井海夏子さんなどについては、上記データから除外してあります。
◆最低人数は5人
さて、どうでしょう。一覧から、各世代の人数は、最少の5人から、最多で9人までとなっていることがわかります。
卒業生が4人以下という例が、過去10年間に1度もないことから、とりあえず各世代につき5人が最低ラインであることが見えてきます。
その意味するところは、ある時点において、もしも5人に達していない世代があった場合、必ず何らかの形で補充が行われ、最終的に5人以上になるよう、調整がなされるのです。
◆現中2世代に着目
そこで、今の中2世代に着目します。2004年生まれの現中2といえば、今年春の時点で、若林真帆ちゃんと小林花南ちゃんの2人だけ。
もう、最低人数である5人に対し、1人や2人の不足ではなく、なんと3人も足りていませんでした。
であれば、必ず近いうちに、何らかの形で補充がなされるというのが過去の法則からも明らかです。では、どうやって補充がなされたのでしょうか。
◆補充の形は3パターン
ニコラの新モの加入経緯は主に3つ。最も一般的なのが、(a)ニコモオーディション。続いて、第2が非公開の(b)事務所限定オーデ。そして第3が(c)ニコプチ進級です。
その他、有名なところとしては、八木アリサさんの加入経緯として(d)編集部から直接スカウトといったケースもありますが、これは例外中の例外です。
ということで以下、不足分の3人を編集部はいかに補充する段取りだったか。(a)(b)(c)の主要3パターンにつき、順番に検証していきます。
◆(a)ニコモオーデ
まずは、新モ採用の基本であるニコモオーデによる補充の可能性からみていきます。
去年の夏。2017年のオーデの結果が出る前の時点で、現中2モ(当時の中1)は真帆ちゃん1人だけであり、実に4人もが不足する状態でした。
ですので、当然に多くの読者が、同年のオーデにおいて、必ず中1のコが複数人合格すると予想していたわけです。
しかし、フタを開けてみれば、合格者のうち、中1だったのは花南ちゃんただ1人。よって、オーデが終わった段階でも、依然3人が不足していたのです。
では、残る不足分は2018年オーデに持ち越しとなるのか。2018年オーデにおいて、久々に中2が合格する布石となりえるのでしょうか。
◆中2はNG
この点、2017年オーデの合格者の内訳に注目します。すると、小5、小6、中1の3世代だけで、中2はゼロでした。
そもそも、中2採用というのは、2013年オーデ合格の中村里帆さんを最後に、4年連続ゼロが続いている現状に加え、去年の合格者6人の学年構成は、小5&小6で5人。中1は花南ちゃん1人だけという、まさに小学生圧倒的優位な状況となっています。
もうすでに、中1ですら1人だけしか受からなかったという事実からも、今後のオーデにおいて、中2合格は絶望的。
ということで、ニコモオーデによる中2補充の可能性は限りなくゼロであるといえ、パターン(a)は終了。話は、パターン(b)へと進みます。
◆(b)事務所オーデ
一般オーデの可能性が消えたところで、続いては事務所オーデによる補充の可能性を考えます。
上記の通り、ニコモオーデによる補充をあきらめた段階で、編集部が事務所オーデによる採用を考えたことは容易に想像できます。
実際、事務所オーデは去年の12月に実施されたとのことではありますが、結果として、該当者なし。編集部が求めるレベルに達した新モ候補が見つからなかったため、合格者はゼロとなったようです。
こうして、編集部が事務所オーデによる採用も断念した時点、読者視点では、本来なら新モおひろめがあったであろう2月号or3月号での発表がなかった時点で、もはや残された手段は1つとなっていたのです。
◆(c)ニコプチ進級
ニコプチからの進級組は、モデル経験者として、すでに固定ファンも多く、何より一から育てる必要のない即戦力。中2で加入させても、先行する同学年のオーデ組に十分に追い付き、追い越せる素材です。
ニコラ編集部としては、品質安定のニコプチ進級組こそ、最も手っ取り早い「生え抜き谷間世代」に対する補充方法となります。
一方、ニコプチ側としても、ラブベリーやピチレモンといった、卒業生の有力な引き受け先の相次ぐ休刊により、卒業後の活躍の場が不足していた状態であり、まさにニコラからの大量進級の誘いは渡りに船。
両者の思惑が見事に合致したことで、史上初となる1度にまとめて3人進級がすんなり決まったといえます。
◆まとめ
(a)ニコモオーデでも取らない。(b)事務所オーデでも取らない。それでいて、春の時点で現中2世代は2人だけしかおらず、欠員3。
こうして、3つしか選択肢がない中、そのうちの2つが消えたのだから、残る方法としては(c)ニコプチ組に頼るしかありません。
ということで、今年のニコプチ進級につき、一挙まとめて3人採用というのは、異例とか驚きとか前代未聞とかではなく、世代最低ラインとされる5人に達するため、まさに必然。これしかないという、残された最後の1手だったのです。