合併号検証
12月1日に発売される次号のニコラは、1月号&2月号の合併号となることが発表されています。
では、それは1回限りなのか。つまり、3月号以降はこれまで通り月刊に戻るのか。それとも、なし崩し的に隔月刊へと移行する前兆なのか。
今日は、今後のニコラの発行形態を確認した上で、今回の合併号の持つウラの意味について検証します。
特別定価690円
この通り、緑色の線を引いた部分を見ると「合併号から特別定価690円となります」とあります。
この点、通常定価570円のニコラが、一気に史上最高価格の690円になるのは驚きですが、そこは合併号ということで仕方なし。
むしろここで注目すべきは、赤枠で囲った部分。編集長の”書きっぷり”の方なのです。
「から」の意味
改めて、編集長コメントの引用部分を読んでみて下さい。
そこには「合併号から特別定価690円となります」とあるわけですが、なぜ「から」なのか。
これがもし、合併号が1回限りであるなら「合併号から」ではなく「合併号は」 とすべきなのです。
ここで「から」を使ってしまうと、合併号をスタート地点として、その後もずっと690円の状態が続くという意味になってしまうからです。
解釈は2通り
にもかかわらず、あえて「から」になっている。
ということは、第1の解釈として、このまま隔月刊へと移行し特別定価690円が維持される。
第2の解釈として、3月号から月刊に復帰しても特別定価690円が維持される。
もちろん、編集長の言葉の使い方が正しいことが前提ではありますが、どちらに転んでも相当の値上げがなされることは間違いなさそうです。
広告の締め切り
とまあ、編集長のコメント解釈にやたら時間を使ってしまいましたが、そんなことをせずとも、実は一発で疑問を解決する方法があったりします。
それが何かといえば、ニコラに載せる広告の募集状況です。
広告の掲載依頼は、各雑誌が発行される数カ月前に締め切られますので、そのスケジュールをチェックすればいいだけ。
ということで、新潮社の広告募集サイトを見てみましょう。
スケジュール
1度きり
するとこの通り。なんのことは無い、3月号は通常通り単独で広告が受け付けされています。
つまり、3月号からは月刊に戻る。合併されるのは、次の2024年1・2月合併号だけということが分かりました。
要は、編集部員のための年末進行逃避対策といえそうです。
合併号オモテの意味
ということで、読者が競合するセブンティーンは季刊となり、次の発売日は来年2月。ポップティーンはすでにwebへと移行済み。
もはやライバル不在の現状、今回の合併号の意味としては、よく言えば今風に働き方改革の実践。
悪く言えば妙に余裕ぶっこいて年末年始をゆっくり過ごすためがオモテの事情。
ウラの意味
他方、その裏に隠された真の意味としては、合併号を名目に一旦「690円」という既成事実を作っておき、3月号以降も価格を維持、もしくは600円台にとどめる。
一見、合併号と比べればお得&値下げに見えるものの、実は実質値上げという”目眩まし”こそが真の狙いなのではないでしょうか。
いずれにせよ私たちニコ読としては、ニコラ2024年3月号の価格設定がどうなるか、注視する必要がありそうです。