◆順当?異例?
ミスセブンティーン2018の結果は、きのう更新した通りとなりますが、とにかく今年は異例尽くし。
たしかに、桜田ひよりさんや山本彩加さんといった注目候補が順当に合格しましたが、その裏では、合格者の人数や年齢、経歴、応募形態の傾向に大きな変化がうかがえます。
では具体的に、どんな点が変化したのか。いったいどこが異例といえるのか。今日の三月の転校生はでは、おととい終了したミスセブンティーン2018について振り返ります。
◆参考資料
◆合格者数が異例
まず今回の結果について、なんといっても目につくのが、6人合格という人数の多さです。
上のリンク先「全ミスST実施データ」でも確認できるように、2016年の例外を除けば、ここ数年の合格者は基本2人~3人の少数精鋭で推移していたところ。
そもそも、去年の合格者がミスST史上でも稀にみる少なさで、わずか2人だったこともあり、一挙3倍増となっています。
ちなみに、一度に6人もの合格者が出たというのは、ミスSTが現在の形となって間もない2003年の実施回以来のことで、実に15年ぶりの大量採用となります。
◆合格者の学年も異例
また、合格者の年齢も一気に高齢化。さきほどのリストを見てもらうと明らかな通り、2010年、2013年、2014年、2015年などは、合格者全員が中学生で占められています。
その他のケースを含め、近年の合格者の傾向としては完全に中2~中3がメーン。高校生による合格は、無いのが普通。あっても、最大2人までとなっていました。
ところが今回。合格者のうち、高校生が4人というとで、占有率67%。中学生(2人)との比率も逆転し、まさに異例のケースといえます。
ちなみに、高校生の合格者数が中学生を上回ったのは、滝沢カレンさんの2008年以来で、10年ぶり。こうしてみると、今回のミスSTはオーデ初期に先祖返りがキーワードなのかもしれません。
◆一般から2枠
一方、「いい意味で異例」といえるのが、今回の合格者に占める一般応募の割合についてです。
基本、事務所に所属していなければ受からないとされるミスセブンティーンですが、今回は事務所に所属しない一般応募として大友樹乃さん&高橋アリスさんの2人が、みごと合格しています。
最初のリンク先にある、うちの歴代合格者リストでは、一般応募者の「所属事務所欄」には"☆マーク"が入っているので、これを過去にさかのぼって確認してみると、またまた驚き。
一度に2人以上の一般組が合格したのは、なんと森川葵さんたちが受かった2010年以来、8年ぶりであることが分かります。
この点、ちょっと前に書いた「ミスセブンティーンの応募総数が半減した理由」で指摘しましたが、さっそく編集部が応募減を食い止めるための対策を打ってきたと考えられます。
◆即戦力枠ゼロ
最後の異例は、即戦力枠がゼロになったこと。具体的には、小学生雑誌や中学生雑誌のモデル出身者から、合格者が1人出なかったことです。
たとえば去年。2017年は、小学生雑誌「キラピチ」のトップモデルだった宮野陽名さんが合格しているし、その前の2016年は「ニコプチ」出身の南乃彩希さんが合格しています。
近年の傾向として、すっかりモデル経験者の合格が定着しつつあったところ、今年は即戦力枠による採用がありませんでした。
◆異例は必然?
ということで、以上、異例尽くしとされる今年のミスSTについてまとめきたわけですが、反面、異例尽くしながら、打つべきところに手は打ってきたという印象も受けます。
つまり、ここ最近の部数の低迷や、今回のオーデの応募総数激減を回復するため、あえて必要な手を打ったからこそ、異例な点が多くなったといえるのかもしれません。
で、多くの読者に異例と受け取られた、その必要な手段こそが、合格者数大幅増、高校生重視、一般枠増という先祖返りだったわけです。
◆まとめ
広瀬すずさんの卒業を控えた今、多少合格者の平均年齢が上がったとしても、将来性ある女優系を採用する。
ミスSTの話題性アップのため、部数減の対策としての新たな読者層開拓のため、過去のミスSTでは意図的に落としてきたアイドル枠を復活させる。
そして極め付けが、ミスST自体の応募総数激減を受けて、さっそく一般枠から2人も合格させてみせる。
終わってみれば、たしかに結果だけを見れば異例ながらも、その実、直面する課題への対処を盛り込んだ全方位的な選考であったといえそうです。