総選挙検証
私服総選挙2023夏は、みごと伊藤沙音ちゃんの2連覇で終わったわけですが、その優勝者を決める方法につき、当初から読者の間で疑問が呈されていました。
具体的には、読者投票分に加算される「いいね数ボーナス」の内容が、事前に一切示されていなかったためです。
そこで、12月号にてボーナスポイントの全容が判明した今、改めて総選挙の結果を検証してみます。
問題点
そもそも、事前にボーナスポイントの内容が明示されていないと、何が問題なのでしょうか。
それは、加算されるポイントの強弱によって、編集部が自由に順位を操作できてしまうからに他なりません。
例えば、いいね1位のコに「ボーナス100」を与えるのか、「ボーナス50」にするのかで、容易に順位はひっくり返ってしまうのです。
ボーナスの内訳
ちなみに、今回発表された実際のボーナスポイントの内訳は、部門ごとに、いいね獲得数1位が「50pt」、2位が「40pt」、3位が「30pt」 となっています。
それにしても、総選挙が実施されたニコラ8月号誌面のルール説明欄に、これらポイントの配分方式が書いてないことはもちろん、ほぼ全ての読者が今回の12月号を見て、初めて「50⇒40⇒30」という配分を知ったのではないでしょうか。
ということで、まずは「読者投票分」「 ボーナスポイント分」「合計ポイント」について、部門ごとに1位から3位までを見ていきます。
部門別ポイント獲得状況
かわいい部門
さっそく、この「獲得状況内訳」から、今回の総選挙が出来レースであったことを裏付ける具体例を見出していきます。
とはいえ、沙音ちゃんが優勝した「かわいい部門」については、さすがに文句のつけようがありません。
沙音ちゃんは、2位の小松崎ふたばちゃんには、ほぼダブルスコア。3位の近藤藍月ちゃんにも80票以上の圧倒的な大差をつけていることがわかると思います。
となれば、どんなにボーナスポイントをいじろうとも、もはや順位の操作は不可能。沙音ちゃんの優勝は100%、本人の実力によるものと断言できます。
かっこいい部門
一方、問題があるのは「かっこいい部門」の方です。
一応、優勝は吉本麗南ちゃんということになってはいますが、果たして麗南ちゃんには、優勝するに足る実力があったのでしょうか。
するとここで、ボーナスポイントを使った編集部による順位の操作の可能性が疑われることになります。
レイナvs.ユズ
ボーナスで逆転
改めて、2人の獲得ポイントの内訳を見て下さい。
この通り、そもそも麗南ちゃんの読者投票分は「90」であり、足川結珠ちゃんの「107」に、17ptも及びません。
ところが、これにボーナスポイント「30」が加算されたことで、まさにギリギリ大逆転。
麗南ちゃんが13ptほど結珠ちゃん上回ることになり、部門優勝となっているのです。
頭の体操
ではここで、ちょっと頭の体操です。今回ボーナスポイントの分配が「1位⇒2位⇒3位」の順に「50⇒40⇒30」だったわけですが、別のパターンを考えてみましょう。
これがもし、もう少々いいね獲得ポイントの間に差をつけ「50⇒30⇒10」だったらどうなるか。
または、もう少々いいね獲得ポイントの比重を低く、読者アンケート投票を重く見て「30⇒20⇒10」だったらどうか。
50⇒30⇒10の場合
すると、前者(50⇒30⇒10)の場合、こうなります。
なんとなんと、結珠ちゃんが繰り上がりで1位となる反面、麗南ちゃんは、川原美杏ちゃんにすらも逆転され、3位に転落してしまうのです。
30⇒20⇒10の場合
また、後者(30⇒20⇒10)で試算して見ると、こう。
こんどは、美杏ちゃんにこそ逆転はされませんが、それでも結珠ちゃんには及ばず、麗南ちゃんは2位にとどまるのです。
たまたまの産物
要は、麗南ちゃんの優勝は、ボーナスポイントがたまたま「50⇒40⇒30」に設定されたことによって実現したということ。
万一、「50⇒30⇒10」だの「30⇒20⇒10」だのに設定されていたなら、結珠ちゃんが優勝していたのです。
その裏には、当然ながら編集部による”意図”の存在を想像せずにはいられません。
編集部の意図
「もはや卒業まで4ヶ月となった高1の結珠ちゃんを、今さら推しても仕方ない」
「だったらここは、新鮮な次世代を優勝させて、一気に読者に売り出そう」
実際、現中3世代は有坂心花ちゃんと小松崎ふたばちゃんの”2強”が断然優勢で、3番手以下の存在感がありません。
これでは、来年のイメモ&役職争いが盛り上がらないので、麗南ちゃんを優勝させ、初表紙に抜擢し、大々的に売り出そうという狙いが透けて見えるのです。
後出しルール
そこで、いいねのボーナスポイント配分を、麗南ちゃんがギリ優勝できる仕組みに整えた。
だいたい、「50⇒30⇒10」でも「30⇒20⇒10」でも「100⇒50⇒30」でも、その他なんでもいいのに、あえて後出しで「50⇒40⇒30」としたことに説明がつかないのです。
最初に提示すべきだった
もちろん、編集部がこの点について聞かれれば、「最初からポイントは『50⇒40⇒30』と配分するつもりだった」と答えるかもしれません。
しかし、そんなことは後からなら何とでも言えるし、素直に信じる読者もほとんどいないことでしょう。
そこは、読者に投票を募集した8月号の時点で、最初にルールとして配分を提示してこそ、公平・公正と言えるのです。
今後のために
以上みてきた通り、今回の私服総選挙にて、編集部はルールの後出しという最大のミスを犯しました。
これでは、せっかく部門優勝した麗南ちゃんも浮かばれません。
編集部には今後、こうした読者参加型の投票企画を実施する際は、必ず事前にしっかりとルールを示し、読者から疑問を抱かれないようにすることが必要ではないでしょうか。