三月の転校生

中学生雑誌nicolaに関する日記

読者を惑わすニコモSNSの問題点

f:id:GYOPI:20210824033044p:plain:w35検証企画

f:id:GYOPI:20211016214708p:plain:right:w120「最近のニコモのインスタ、ステマみたいじゃないですか? ぜひ検証してみて下さい」。こんなメッセージが届きました。

ステマといえばこの夏、フジテレビの女性アナウンサーさんたちの件が問題になったばかりです。

もし、そんなことがニコラでも行われていたとしたら大問題。休刊につながりかねないスキャンダルです。

そこで今日は、ニコモによるどんな投稿がステマを疑われ、実際のところどうなのか。詳しく検証してみます。


f:id:GYOPI:20210824033044p:plain:w35ステマとは?

まずは話の前提として、ステマについて整理します。ステマとは「ステルスマーケティング」の略で、ホントは宣伝であるのに、それを隠し、いかにも自然を装い商品をピーアールすることです。

具体的に言えば、影響力のある人が、SNSで自身のファンに向けて、あたかも自分の意思・意見であるかのように特定の商品をオススメするケースが該当します。

f:id:GYOPI:20210824033044p:plain:w35ステマの問題点

この点、テレビのCMや雑誌の広告だったなら、誰もが「これは宣伝である」と知った上で見ることになります。

出演しているタレントさんは、あくまで”お仕事”としてやっているだけで、本心から商品をお勧めしているとは思いません。

一方、ステマの場合、実際は広告であるにもかかわらず、それを隠すことで、ファンに「憧れの○○ちゃんが愛用してる!」「私たちにオススメしてくれてる!」といった誤解を与え、商品の購入に結びつけようとする点が問題とされるのです。

f:id:GYOPI:20210824033044p:plain:w35疑惑の投稿

ここまで理解した上で、続いてはステマを疑われたニコモのインスタの投稿を見ていきます。

実は変化は10月に入ってから。この間、各ニコモのインスタに、一斉というわけではなく、それぞれが日付を微妙にずらしつつ、ほぼ同一内容の投稿がなされていることに気づいた人も多いのではないでしょうか。

そんな疑惑の投稿がコレ。以下、特に分かりやすい3人の投稿を、ちょっと引用してみます。

f:id:GYOPI:20210824033044p:plain:w35パターンが一緒

さて、どんなもんでしょう。もうパッと見て、とにかく構図が全く一緒です。

決まって写真は2枚アップされ、1枚目がニコモ本人が商品を左手に持った上で、商品名がカメラに向くようにして撮影。2枚目は商品だけを2本並べて撮影というパターンです。

さすがに添えられた文章まで一緒ということはなく、それぞれ異なっています。

f:id:GYOPI:20210824033044p:plain:w35ハッシュタグの存在

だいたい、ニコモがひとり残らず同じ化粧水を使っているなんてあり得ないし、10月に入って突然、たまたま一斉にその化粧水を自身のインスタでオススメし始めるなんてことも100%起こりえません。

ということで、こうしてみるといかにもステマっぽいわけですが、そこは巧妙に作られていて、それぞれの投稿に見逃してはいけないハッシュタグが付けられています。

f:id:GYOPI:20210824033044p:plain:w35#PR

ハッシュタグ「#Avene_PR。なんだ、やっぱり宣伝だった。

でも、こんな小さい文字で、しかも英語で「PR」とだけ入っているのでは、「いつも愛用しています」「メイクさんにすすめられて以来ずっと使ってます」といった一連の本人コメントが宣伝文句であると気づかない人も多いのではないでしょうか。

それはともかく、こうしてオマケ程度とはいえしっかり「PR」と入っている以上、ステマではありません。これが結論です。

f:id:GYOPI:20210824033044p:plain:w35問題点

ただし、問題がないわけではありません。それは、広告の対象がまだSNS慣れしていない小中学生であるということです。

大人を対象とした広告と異なり、やっぱりそこは、より丁寧な説明が必要なのは当然です。

実際、各投稿に付けられたコメントを見ると「○○ちゃんがおすすめしてるんなら買ってみる!」「教えてくれてありがとう!」「わたしも欲しくなった!」といったものもそこそこの数があったりします。

しれっと「ハッシュタグに『PR表記』を潜ませておいたからOK!」ではなく、もっとハッキリ「これは広告投稿です」と宣言したほうがいいのではないでしょうか。

f:id:GYOPI:20210824033044p:plain:w35誰も得をしない

また、もう1つ問題なのが、今回のような広告投稿が続くことで、ニコモと読者(ファン)との関係が壊れることになりかねない点です。

中途半端な宣伝の片棒を担がされたニコモはいい迷惑。やがて自身のインスタにて、本心で自分が好きなもの、自分がいいと思ったものをファンにすすめたとき、「どうせ宣伝だろ」と思われてしまいかねません。

一方で、純粋な読者はまんまと信じて商品を買わされる。ある程度スレた読者は、ニコモの発言を信用できなくなる。

もう、ニコモ本人も、ファンである読者も、誰ひとりとして得をしないのです。

f:id:GYOPI:20210824033044p:plain:w35これを最後に

今回の登場人物は、ニコモはもちろん、読者だって小学生、中学生の女のコ。

お仕事である以上、ニコモは大人の指示に逆らうことはできないし、読者はニコモを信じるしかありません。

だからこそ、編集部はコトを慎重に進め必要があるのです。

いくら部数が減って資金的な余裕が無い、スポンサー離れが止まらないとはいえ、今回のような読者を困惑させる「ニコモを使った一斉広告」は、これを最後にしてほしいと思います。