◆ティーン誌トップ争い
ちょうど去年の今ごろ、「ニコラがセブンティーンを逆転し、ついにティーン誌ナンバーワンの部数になった」というニュースが、大きな話題となりました。
これに伴い、各号ニコラの表紙1番上に入るキャッチフレーズも「中学生雑誌ナンバーワン!」から「No.1ティーン雑誌!」へと変更。現在に至ります。
では、あれから1年。その後のニコラとセブンティーンの部数の関係はどうなったのでしょうか。今日は、最新の印刷部数が先週発表されたので、これを機に両誌の部数の推移を確認します。
◆部数の推移(2016→2018)
◆グラフについて
上のグラフは、2016年から2018年の最新分まで、過去3年間におけるニコラ(赤色)とセブンティーン(青色)の部数の推移を、四半期ごとにまとめたものです。
部数逆転ニュースの根拠となった日本ABC協会発表の"実売部数"は、なかなか一般には公開されないため、今回の数字はとりあえず、日本雑誌協会発表の"印刷部数"となっています。
なお、同じティーン誌分類として、ニコプチは10万1000部。ポップティーンは印刷部数の発表はありませんが、去年の実売ではセブンティーンより2万部以上少なくなっています。
◆分岐点
さて、どうでしょう。最初の逆転ニュースの通り、今回の元データとした印刷部数でみても、当然ですがこの通り。同様の結果となっています。
グラフにあるように、2017年まではセブンティーンの方がニコラを圧倒していたのに対し、今年に入ってから、その関係が見事に逆転したことが分かります。
ただし、分岐点は2018年の1~3月期と4~6月期の間であり、時期としては、実売データよりもちょっと遅くなっています。
◆ニコラの勝因
では、一連の逆転劇を成し遂げたニコラの勝因はなんだったのでしょうか。この点、やっぱりニコラの「安定性」には目を見張るものがあります。
なにしろ、グラフからもハッキリ見て取れるように、ニコラはここ数年、19万を下回ることは1度も無く、常に20万前後を維持。
加えて、2016年の後半以降はずっと、わずかながらではありますが、ジワジワと確実に上昇を続けているのです。
◆セブンティーンは?
対してセブンティーンはどうか。逆転の分岐点として先ほどあげた2018年の1~3月期から4~6月期にかけて、一気になんと3万部も減らしています。
しかも、今回発表された最新分の2018年7~9月期では、さらに7千500も減っていて、ついに18万台に突入。グラフの下降が止まらない状態となっています。
◆ライバル不在
ということで、ティーン誌ナンバーワンの座の逆転について、改めてその要因を考えてみると、単に通常運転しているだけのニコラに対し、勝手にセブンティーンがコケただけ。
今回の数字の勢いから見ても、両誌の部数の差は、おそらく今後ますます広がっていくはずです。
最大のライバル、ピチレモンの休刊から、早くもまる3年。もはや、同じ中学生雑誌としてのライバルは不在ですし、このままニコラの「ティーン誌ナンバーワン時代」はしばらく続いていきそうです。