◆ニコラ編の最終回
ニコラの専属モデルになる方法を詳しく解説する連載も、いよいよ今日が最終回。
これまで、第1回ではニコモ加入年表を使って専属モデルになる道の概要を紹介しました。また、各論として第2回では事務所オーデと顔みせの違いを、第3回では草野星華さんがニコモになった経緯を、それぞれ見てきたところです。
そこで連載最後となる今日は、ニコラ編の総まとめとして、まずは詳細なニコモになる方法の分類図を提示した上で、そこから具体的に誰がどうやってニコモになったのか、オーデ組以外のケースを中心に、それぞれの経緯をたどります。
⇒第1回:加入年表
⇒第2回:事務所オーデと顔みせ
⇒第3回:草野さんのケース
◆ニコモ就任経緯(完全版)
◆ニコモ加入年表
◆解説
上は、ニコラのモデルになるための方法を分類した図の完全版です。連載第2回で使った図は「簡易版」となっていたのに対し、今回の図は「事務所オーデ」の中身をさらに細かく4つに分類たほか、新たに過去たった1例だけのレアケースである「スカウト」という方法も追加しました。
それ以外の方法として、ニコプチ進級やオーデについては、簡易版と同様です。ただし、簡易版においては、図中に名前が入っていたのが現役21人のみだったのに対し、完全版では過去10年分のニコモを網羅します。
下は、過去10年分の全ニコモにつき、各自が初登場となった号をまとめたものです。「一般応募オーデ組」と「プロダション組」に分類した上で、刻者についてはさらに細かく、「事務所オーデ」「ニコプチ進級」に分かれます。
◆事務所オーデの内訳
事務所オーデと顔みせの違いや具体的な選考方法については、連載第2回で詳しく解説したので今回は省略します。
ここでは、事務所オーデをその形態によって4つに分類し、それぞれがどういった方法なのか、踏み込んで見ていくことにします。
まずは前提として、事務所オーデに分類される4つの方法を全部まとめて広い意味での事務所オーデ、すなわち「広義の事務所オーデ」と定義します。
で、そんな広義の事務所オーデの中身は、本来の姿としての事務所オーデ「狭義の事務所オーデ」や、本来の意味における「顔みせ」。さらには、顔みせの後に事務所オーデを行う併用パターン「顔みせ⇒事務所オーデ」。そして前回に連載1回分を使って詳しく取り上げた「TGA契機の顔みせ」によって構成されます。
ということで、以下、4分類について、すでに解説済みであるTGA契機パターン以外の3つを順番に見ていきましょう。
◆狭義の事務所オーデ
最も新しいところでは、2015年4月加入の現副部長清原果耶さん。ニコラ公式サイトのプロフィールページ、ニコモになったきっかけのところに「事務所オーディション!」とあります。
同様に、2015年1月号加入で、今年の卒業生駒井蓮さんも、加入経緯につき「事務所オーディションです!」となっていました。
また、2013年4月号からニコモとなった、X21メンバーの小澤奈々花さんも、2013年6月号の全モ特集の加入経緯欄に「事務所オーデ出身」とあります。現役アイドルによるニコモ加入ということで、典型的な事務所オーデパターンといえます。
その他、現non-no専属モデルである泉はるさん、「事務所のマネージャーさんからニコラの事務所オーディションを勧められて」と語っています。
以上、はっきりと事務所オーデであることが判明しているのは、過去10年でわずか4人だけ。ライバル誌ピチレモン(休刊)の事務所オーデ出身件数と比較すると、かなり少ない印象です。
◆顔みせ
続いては、ニコモになった経緯について「顔みせ」と断言しているモデルさんの紹介です。
顔みせの場合、基本的には単独で(マネージャー同伴)ニコラ編集部に乗り込み、その場で面接を受け、合否が決定することになります。
そんな顔みせによる加入で最も新しいのは、2012年1月号加入で現セブンティーンの黒崎レイナさん。「川口春奈さんが同じ事務所ということもあり、事務所の紹介で編集部に顔みせに行きました」
また、2011年7月号でニコモデビューとなった山本舞香さんの顔みせによる加入。そんな山本さんは、ニコラでの面接直前に、別口として「リハウスオーデ」の合格の知らせを受けたため、うれし泣き。目が真っ赤な状態で編集部に顔みせに行ったというエピソードがあったりします。
一方、2011年5月号で休刊となった中学生雑誌ハナチューの専属モデルだったほのかりんさん。ニコラデビューが2011年6月号ですから、全く間を空けず、スムーズに移籍が叶ったことがわかります。ちなみに、初登場の際、ニコモになったきっかけにつき「ニコモになるのが夢でマネージャーさんと編集部に顔みせに行きました」と語ったことが、"休刊⇒移籍"の経緯を知る読者の間で物議をかもしたりもしました。
その他、はっきりとニコラ加入経緯を顔みせであると公言するのは、2009年5月加入の福本エミさんや、2008年3月号加入の城戸愛莉さんなどが主だったところです。
◆顔みせ⇒事務所オーデ併用
続いては、「顔みせ⇒事務所オーディション」の併用パターンです。手順としては、事務所の紹介を前提に、まずはマネージャーを伴い編集部に出向いて顔みせを行い、その後、改めて事務所オーデに参加するという2段階選抜となります。
具体的に、自身のニコモ採用が2段階選抜であったと語っているのは、2012年4月号加入で、現セブンティーンの岡本夏美さんと、2009年2月号加入の藤井夏恋さん。
特に、岡本さんの場合は、旧ラブベリーの休刊による移籍組。ラブベリーの休刊が2012年3月号ですので、前出ほのかさん同様、間を空けることなく、直行でニコラ行きが決まっていたことになります。
で、その際に利用したのが併用パターンというわけです。なお、岡本さんは「事務所のコたちといっしょに」と言っている点、同じ事務所で、かつ同じラブベリー専属だった近藤玲奈さんをはじめ、ある程度の集団で事務所オーデが実施されたことも分かります。
◆編集部スカウト
また、編集部スカウトという方法も存在しました。ただし、適用ケースは2008年2月号加入の八木アリサさん、1件のみ。
具体的には、2007年に実施された「ライラの冒険 黄金の羅針盤」の声優オーディション。ニコラとは直接関係の無い、全く別のオーディション現場において、編集部からスカウトされたことによります。
このオーデでは、最終的に当時の現役ニコモである西内まりやさんがグランプリを受賞したわけですが、その様子をニコラ誌面で特集するため、立ち会っていた編集部の目に留まったわけです。
ちなみに、主役を西内さんと争ったファイナリストには、八木さんの他、ピチレモンの安倍エレナさんもいました。当時のピチ読にとって、ライラオーデといえば、「あー、エレナちゃんが参加してたやつだ!」と、ピンと来る人も多いかもしれません。
とにかくこうして、世にも珍しい編集部スカウトという方法によって、八木さんはニコモとなりましたが、もちろん後にも先にも、同じ方法によってニコモになった人は、他に誰もいません。
◆TGA契機の顔みせ
最後は、TGA(東京ガールズオーディション)を契機とした顔みせパターン。専属オーデ以外でニコモになる最も新しい方法とされ、現時点で、この方法によって加入したのは2017年2月号がデビューとなる草野さんだけとなります。
なお、TGA顔みせ制度については、連載第3回において、まるまる1回分を使って詳しく解説したので、そちらを読んでみて下さい。(⇒参考:草野星華さんの場合)
◆まとめ
ということで、過去10年に、ニコモオーディション以外で専属モデルとなった全員につき、どうやって採用されたのか、各種方法につき、詳しく解説してきました。
もちろん、ニコモになるにはオーディションこそが王道なわけですが、事務所に所属している人は、そのオーデに参加することすら出来ないため、その分、採用枠こそ僅かではありますが、様々な道が用意されていることも分かってもらえたと思います。
とはいえ、繰り返しになりますが、あくまでもニコラは完全な一般オーデ重視。ニコプチ進級や、事務所オーデ・顔みせは、それぞれ合計しても年に3人いるかいないかという狭き門であり、プロダクション組の救済制度に過ぎないとう結論をもって、連載「ニコラの専属モデルになる方法2017」を終わります。