◆事務所オーデと顔みせ
「ニコプチ出身の香音ちゃんって、事務所オーデでニコラに入ったんですか?」「今年の涼凪ちゃんも事務所オーデですか?」
こういった質問からも、雑誌の専属モデルになる方法としての事務所オーデと顔みせとを混同している人が、ときどき見受けられます。
そこで今日の三月の転校生では、一連の誤解を正すため、ニコラとニコプチを題材に、事務所オーデと顔みせの違いを分かりやすく解説してみます。
◆専属モデルになる方法
本題に入る前に、まずはカンタンに基礎知識の整理から。ニコラやニコプチのモデルになる道は、大ざっぱに言って3つあります。
1つが、誰でも応募できる【a】一般オーディション。毎年1回実施される、いわゆる「ニコモオーディション」や「プチモオーディション」というやつです。(ニコラは事務所に入っている人NG)
一方、2つ目と3つ目は事務所に所属している人限定となり、こちらが今日のテーマである【b】事務所オーデと【c】顔みせ。
◆一切が非公開
で、【b】と【c】のどちらにも共通するのは、非公開であるということ。普通の読者には、その募集も実施も結果も知らされず、とにかく合格者が新モとして入ってきて、初めて分かるというものです。
しかも、その新しく入ってきたコが、いったい事務所オーデなのか、それとも顔みせなのか、どちらによって採用されたのかすら、原則として公開されません。
そんなこともあり、両者を混同する人がますます多くなるわけですが、特にベテランの読者ならその違いをバッチリ知っておきたいところ。以下、事務所オーデと顔みせについて、個別にみていきます。
◆事務所オーデとは?
まずは、事務所オーデから。一言でいうと、その名前の通り「事務所に所属している人だけを対象としたミニオーディション」です。
編集部から、「年齢○才から○才」「身長○○cm以上」「各事務所○人まで参加可能」などと条件を付けた上で、様々な芸能事務所に対して募集をかけ、選考するというもの。
応募者は、各事務所の代表(事務所内で選出されたコ)としての裏づけから、オーデの実態はイキナリ最終審査扱いの本選。ニコモオーデや、プチモオーデの1次書類審査免除バージョンと考えてみてください。
◆実施の具体例
では、事務所オーデは、いったいいつ行われているのか。すでに書いたように、そういった情報が読者に知らされることは一切ありません。
しかし、多くの事務所に参加を呼びかけ、仮にもオーデ形式を取るということからも、最終合格1人ということはまずないわけで、この点に注目すると、実施時期が見えてきます。
たとえばニコプチの2014年12月号。当時、まさにプチモオーデ実施中であったにも関わらず、伊藤小春ちゃんや西川茉佑ちゃんたち、新モちゃんが一気に5人も加入してきたのを覚えている人も多いかもしれません。
この、プチモオーデ合格発表以外の時期における新モの同時複数加入こそ、事務所オーデがあったサインといえます。
◆顔みせとは?
続いて、顔みせ。こちらは、小規模ナリともオーディション形式を取る前者とは異なり、事務所単位もしくは個人単位の面接と考えてください。
ニコプチでは、ちょっと前までは編集部が正式に「事務所すいせん」と呼んでいたことからも分かるように、事務所の推薦するイチ推しタレントが、マネージャーさんを伴って編集部で面接を受け、合否が決まります。
◆具体例
基本、個人単位であるため、新モとしての加入も単独となるケースが多くなります。
ちょっと古くなりますが、ニコラ2012年6月号の「ニコモ名鑑」は、オーデ出身、事務所オーデ、顔みせといった加入経緯が、それぞれ詳しく書かれているので貴重な資料。
現セブンティーンの飯豊まりえさんや黒崎レイナさん、ハナチューから加入のほのかりんさんといったところが「顔みせ」となっています。
◆全くの別物
ということで、以上みてきたように、事務所オーデと顔みせとは全くの別物であることが分かってもらえたと思います。
最大の違いは、その実施時期。不定期ながら特定の日に参加者を一同に集めて実施される事務所オーデに対し、顔みせは年中いつでも臨機応変に実施中。
で、ここまで来れば、今日の日記の1行目に出した問いの答えが見えてきたはずです。
◆まとめ
香音ちゃんも、涼凪ちゃんも、ニコラのへの加入は、それぞれ数人まとめてではなく単独加入です。
また、ニコプチを卒業する時期に、たまたま事務所オーデが実施されるなんて都合のいい話があるはずもありません。
さらにいえば、ニコプチで実績のある、というか同期エース格の2人を、あえて事務所オーデにかける必要もありません。
香音ちゃんや涼凪ちゃんをはじめとする歴代ニコプチ出身者のニコラへの加入経緯は全て、事務所オーデではなく顔みせによるものです。
◆おまけ
最後に補足。いまウィキペディアを見たところ、香音ちゃんや歴代プチモ出身者の"出自"に「ニコプチ移籍組」とあって、ちょっと違和感。
実際、前出の名鑑では、飯豊さんや七木奏音さんが、ハッキリ「顔みせで入った」と語っていることからも、もし三月の転校生としてニコラWiki「ニコペディア」を作るとしたら(作りません)、プチモ出身者の出自は「プロダクション組」として、備考欄に「ニコプチ移籍組」としたいと思います。
もう1つ補足。ニコラには事務所オーデと顔みせの複合バージョンとして、【d】顔みせ前置の事務所オーデという亜種があり、具体的には岡本夏美さんや藤麻理亜さんがこれに当たりますが、ここまで来ると説明が複雑になりすぎる上、そもそもニコラ自体に詳しくないので今回は省略しました。