◆小中学生モデルの目的地
小中学生モデルにとって、1つの大きな目標は、10代のファッション雑誌で最も売れている「Seventeen」「Popteen」の専属モデルになること。
では、ナンバーワン小学生雑誌であり、かつ卒業生の将来性が高いとされるニコプチ専属モデルの実績はどうか。
今日の三月の転校生では、ニコプチを出発点とした出世コース。つまりは、ニコプチ出身者のモデルとしてのキャリアに関するステップアップについてまとめてみます。
◆卒業生の進路図
◆図の見方
まずは上の進路図を見てください。これは、ニコプチ出身者が、中学生雑誌「ピチレモン」「ニコラ」へ、さらにそこから中高生雑誌「セブンティーン」「ポップティーン」へと進んでいくパターンを図示したものです。
それぞれのパターンについては矢印の横に、実際にそのコースを歩んだニコプチ出身のモデルさんの名前が入っています。
なお、専属モデルコースとして、かつてはこの他にも「ラブベリー」や「ハナチュー」といった雑誌がありましたが、いずれもかなり前に休刊ということで、今回の図からは除いてあります。
以下、各矢印に振ってある「A」「B」「C」といったアルファベットの順番に、ちょっと解説を加えてみます。
◆A)ピチレ行き
ニコプチ出身として、最初のピチレ行きを決めた井之上史織ちゃんを筆頭に、翌年は森高愛ちゃん&関紫優ちゃん。続けて田尻あやめちゃん&五十嵐ありさちゃん。さらには去年の杉本愛莉鈴ちゃん&岡田結実ちゃん。そして今年の関りおんちゃん。
こんな感じで、なんと意外にもニコプチ出身のピチレ行きが、合計8人もいたことが分かります。(他誌経由、途中脱退含む)
そもそも、ニコプチ出身者の王道コースとされる姉妹誌ニコラ行きが、以下の通り実績8人ですので、それと一切の差がないところ。
そのウラに、ニコプチとしては「中学生雑誌の相次ぐ休刊により、ピチレを行きも開拓(かいたく)せざるを得ない」、ピチレとしては「部数拡大のためニコプチの人気モデルを獲得したい」といった双方の思惑の一致があったことは明らかです。
◆行き止まり
なお、ピチレ行きは、現在のところそこで行き止まり。図にあるとおり、大挙8人いるにも関わらず、そこから上位雑誌への移籍はというと、実績ゼロとなっています。
そんな中、今後移籍があるとすると、抜群のルックス&スタイル、モデル適性といった点から、愛莉鈴ちゃんが有力なのではないでしょうか。
◆B)直通Seventeen
ニコプチ卒業後、そのままセブンティーンに直行するコースです。この点、なによりニコプチ卒業時の学年は中2ですので、その年齢でイキナリSTモに加入というのは超難関。
現に、これまでの実績は西野実見さん&三吉彩花さんの2例しかありません。しかもそれは、2010年ことであり、今から5年以上の前のこと。
今後、「ニコプチ⇒セブンティーン」の直通コース復活なるかが注目されますが、三吉さんの「卒業時(中2)168cm」を1つの基準として、現役プチモを見渡すと、なかなか難しい気もします。
◆C)王道ニコラ
すでに三月の転校生でも繰り返し書いてきていますが、とにかくニコラ行きは、その年のニコプチ卒業生の中から、選び抜かれた1人だけ。
1期の伊藤夏帆さんから、今年の香音ちゃんまで、名前を見れば、ひと目で顔が浮かぶよう各期エース級が勢ぞろい。
とはいえ、そこからさらなる上位誌への移籍となると、これだけのメンバーをもってしても、なかなか大変なようで、苦戦している様子が伺(うかが)えます。
◆E・F)ニコラ経由
実際、去年までの時点で、セブンティーン行きを決めたのは飯豊まりえさん&黒崎レイナさんの2人のみ。(黒崎さんに関しては、正式な"卒業生"ではなく、"途中脱退"組)
ようやく、今年の夏になって、澤田汐音さんがポップティーン行きを決め、ニコラ経由の上位誌行きが、なんとか3人目となりましたが、それにしても意外にニコラとセブンティーンの相性は良くないといった点が見て取れます。
とりあえずは、来年にニコラを卒業する永野芽郁さんのセブンティーン行きがあるかどうかが1つの目安となりそうです。
◆D)直通Popteen
最後はニコプチ卒業後、そのままポップティーンに直行するコース。こちらは、これまで1つの前例もなく、今年になって初めて開拓されたコースとなります。
その1番手が丸山蘭奈ちゃんで、8月号加入。さらに、前回の日記で書いたとおり、生見愛瑠ちゃんが、今発売中の2016年1月号で加入。
こうして、わずか半年以内にニコプチの同期卒業生が立て続けに加入ということで、一気にニコプチ卒業生の受け皿として、ポップティーンの存在が浮上してきた感じです。
◆まとめ
以上、ニコプチを出発点として、そこから中学生雑誌へ、さらには中高生雑誌へとステップアップしていくモデルさんについて、具体例を示しつつ解説してきたわけですが、どうだったでしょうか。
ピチレ休刊の影響で、今後ますます「中学生モデル」の活躍の場が少なくなり、今まで以上に「雑誌専属モデル」というポストの争奪戦(そうだつせん)が激しくなります。
ニコプチ卒業生の行き先が、今後どう変化していくのか。直通セブンティーンは復活するのか、直通ポップティーンは今後も増えるのか。そして何より、来年のニコラ行きは誰になるのか。いろいろ気になるところです。