三月の転校生

中学生雑誌nicolaに関する日記

高校受験で例える中学生モデル移籍事情

高校受験に例えると?

「ニコプチから二コラへ」「ニコプチからピチレへ」「二コラからセブンティーンへ」「キラピチからピチレへ」。こうした、中学生モデルによる専属雑誌の移籍は、たくさん行われています。

そこで、今日の三月の転校生では、これら数多くの移籍ケースとその事情を、各誌のメーン読者層にも分かりやすいよう、「高校受験」に例えて解説してみたいと思います。

なお、テーマが「移籍」ということからも分かる通り、主に事務所所属者、ニコプチ出身者を対象とします。

中学生モデルの移籍パターン図

中学生モデルの代表的な移籍パターンは、だいたいこんな感じ。以下、この図を元に、各ケースごとに詳しく解説していきます。
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一般受験と推薦

雑誌を移籍する上での最大の区分が「一般入試」か「推薦入試」の違いとなります。これは、そのまま「公募オーディション」「オーディション外(顔見せ)」に対応します。

つまり、一般読者とまったく同じ土俵にのって、自分の力だけで公募オーディションを勝ち抜くケースが、まさに「一般受験コース」。

対して、事務所の力を背景に、編集部との面接だけで採否が決まる顔見せ(事務所オーデ)による移籍が、「推薦入試コース」となります。

推薦の例外

ちなみに、推薦コースをさらに細かく分類すると、「通常の推薦」(上の移籍パターン図のピンク矢印)と、「内部推薦」(同図のブルー矢印)に分けられます。

通常推薦は、文字通り一般的な推薦入試であり、ピチレでいうところの「非オーデ」、二コラでいうところの「事務所オーデ」に該当します。公募オーディションや書類審査を経ず、直接に編集部との面接に進み、その結果によって、採用が決まります。

ただし、ここでいう面接とは、もちろん採用審査の一種ですので、結果として編集部から「うちの専属モデルに合わない」と判断された場合、不採用・不合格になることも多々あります。2012年、エイベックスのアイドルグループの子たちがこぞって推薦を受験、続々不合格になったのは一部で有名な話。

一方、内部推薦。こちらは、送り出す学校側が、事前に学内で選考を行い、決められた人数を高校に推薦する方式です。原則として、推薦を得られれば合格が保障されるわけです。

この内部推薦を、今回の移籍事情に当てはめると、まさにぴったり「ニコプチ⇒二コラ」の移籍ケースが該当します。ニコプチ中学は、いうまでもなくニコラ学園高等学校の付属校。毎年の卒業生のうち、一部の成績優秀者に対しては、試験ナシ(オーデ無し)で、内部進学の道が開かれているのです。

内部推薦の具体例

実際、これまでの進学実績を見ると一目瞭然。2008年の第1期ニコプチ卒業生である伊藤夏帆ちゃんが、二コラに行って以降、2013年の永野芽郁ちゃんまで、毎年キッカリ決まって"当該年度の卒業生の中から選ばれたトップクラス"の1人だけが、ニコラへエスカレーター式に移籍しています。

なお、今年のニコラ移籍者は、いまのところ発表されていないようですが、そこは、これまで6年間続いてきた伝統の重み。たまたま、なんらかの事情で選考が遅れているということも考えられます。もしかしたら、次号10月号にて、発表があるかもしれません。

合格保証付き非オーデ

一方、ピチレの内部推薦ケースはどうでしょうか。すると、最近になって新規開校となったピチレの付属校、私立キラピチ中学の第1期卒業生である山本花織ちゃんが、ちょうど内部推薦により、ピチレ移籍を決めたところ。となると、この「キラピチ⇒ピチモ」コースが、今後も定着し、指定枠となるのかも注目されます。

ということで、まさに「ニコプチ⇒ニコラ」「キラピチ⇒ピチレ」ケースは、内部推薦にあたる「合格保証付き非オーデ」といえます。

ニコプチ中学出身から

以上、ようやく概要の説明が終わりましたので、続いては、ニコプチ出身である、ピチレ&二コラ両誌の現役モデルを中心に、具体的な上記ケースの当てはめ分類をやってみます。

ニコプチ中学では、毎年学年トップが1人だけ、エスカレーター式にニコラ学園に進学できることは、すでに述べてきた通りです。そこで、ここからは各年度の学年トップ争いを見ていきましょう。

まず、大前提として、ニコプチ中学の生徒たちは、地域の偏差値トップ校で、進学率ナンバーワンの名門校、ニコラ学園に、内部推薦で入学すること目指します。そのため、同期間で激しいトップ争いを行い、これに勝ち抜いた1人だけが無事、進学決定。では、競争に敗れた残りのコたちはどうなるのか。

内部推薦が取れなかったら?

その受け皿となるのが、地域2番手のピチレ学園や、当時すでに財政状況の悪化から経営危機におちいりつつあったラブベリー高校です。

具体的にいうと、まずは2011年。学年トップの飯豊まりえちゃんが、最大のライバル森高愛ちゃんを退け、内部推薦を獲得。一方で、惜しくもニコラ行きの切符を逃した愛ちゃんは、不本意ながらも落ち目のラブベリー高校へ、同様に学年3位の関紫優ちゃんはピチレ高校へ、それぞれ進学します。

続く2012年は、ちょっと異変が起こります。学年トップは、卒業特集でもセンター、表紙回数もトップで、読者人気断然の田尻あやめちゃんですが、保護者(所属事務所)どうしの力関係など、様々な事情もあり、結果的に内部推薦を取ったのは、ニコ学ゆかりの名家、スターダスト家の子弟である澤田汐音ちゃん。

そこで、高校浪人を避けたい、あやめちゃんは、どうしたか。前年、初めて系列外のニコプチ中学から卒業生を受け入れた、ピチレ高校の一般推薦を受験します。このことは、ピチレ学園としても、歴史に残るニコプチの大エースで読者人気抜群、ヴィジョンの期待星で、「シンデレラオーデ2010」グラプリとしてナルミヤとのつながりも深い、あやめちゃんの出願は大歓迎だったはず。すんなり入学が決まりました。

で、2013年。この年は、例年通り、学年ツートップ「サエメイ」の1人永野芽郁ちゃんが、順当にニコラへ内部進学する一方、ピチレへの一般推薦はナシという結果となりました。

まりりん、一般受験!

そこから一転、2014年は、再び中学モデル界隈に激震が走ります。同年度の学年トップである杉本愛莉鈴ちゃんが、ニコラ内部推薦でも、ピチレ一般推薦でもなく、はじめてピチレ高校を一般受験し、合格したのです。

愛莉鈴ちゃんといえば、本誌プチモ名鑑のスペースの大きさはもとより、卒業特集でも1番目に名前があるように、ニコプチ同期の中で成績はトップ。かつ、名門アミューズ家の子弟であり家柄も問題なし。

にも関わらず、内部推薦を受け入れず、ピチレ流出を許したという点、かつ、8月現在で、2014年度卒業生からだれも内部進学していない点、付属校としてのニコプチに対する、本校二コラの学園運営方針につき、ちょっとした変化が感じられます。

廃校による転校ケース

なお、特殊事情として、最初に出したラブベリー高校の廃校の件にも触れてみます。なんと同校は、愛ちゃんが進学した、その翌年(2012年)に廃校が決定。当時の在校生たちは、一斉に転校や中退を余儀なくされます。

そんな転校ケースの成功例としては、愛ちゃんの他、長崎すみれちゃん、加藤由梨愛ちゃん、未来穂香ちゃん、井之上史織ちゃんが、ピチレ学園に無事転入。

同様に、ラブベリー高校からニコラ学園に転入したケースが、岡本夏美ちゃんとなります。

飛び級による大学進学ケース

最後は、飛び級。つまり、ニコラやピチレといった中学受験をへず、一気に、セブンティーン大学の受験に臨むケースです。それも、推薦ではなく、一般受験。

ただし、この成功例は、さすがに今のところ過去2件だけで、西野実見ちゃん&三吉彩花ちゃんとなります。惜しくも、田代ひかりちゃんは、2013年と2014年、2年連続で最終面接にて不合格となりました。(ちょうど「ミスセブンティーン2014」が本日発表でした)

まとめ

以上、主に、プロダクション組のニコプチ在籍者を中心に、そのキャリア形成、専属誌の移籍状況をみてきました。

各誌に非オーデで加入してくるプロのモデルさんたちも、まさに私たちと同じように「受験競争」の環境にあることが分かってもらえたかと思います。

一概に「非オーデはずるい」「非オーデは楽」とはいえません。こうして、オーディション組と同じように、非オーデには非オーデなりの苦労があったりするわけです。