■ピチレからデビューした歌手ユニット
ピチレモン編集部が中心となり、ブランドやテレビ局と共同で企画&デビューさせた、ピチモによって構成される歌手ユニットの歴史を紹介します。
ポイントは「ピチレ主導」に限定するという点。ようするに、メンバーは全てピチモであることを大々的にアピールしつつ、編集部が絡んでデビューさせたケースに限ります。
よって、ピチレとは無関係に、各自の所属事務所が主導するユニットである、山口乃々華ちゃんの「E-girls」や、田尻あやめちゃんの「乙女新党」、山崎紗彩ちゃんの「X21」などは、今回のテーマから外れます。
■純ピチレ発のケースは3組
純粋に、ピチレモンが深くかかわってデビューさせた歌手ユニットは、以下のリストの通り、これまで3組となります。
リストの右にある「オリコン」欄は、それぞれのCDの初登場順位(週間)です。シングルで200位以下、アルバムで300位以下は、それぞれ公表されないので、「圏外」となっています。
■はじまりは「ピポ☆」
2003年。当時のピチレの売り上げは、なんと30万部。2位の二コラ(21万部)に9万部という大差をつけ、中学生雑誌のトップを独走していました。
すると、これに目を付けたファッションブランド「ナルミヤ」が、衣装を提供するという形で、ピチレ編集部と提携。当時のトップピチモから4人(右手愛美、原田百合果、浅田美穂、壁谷明音)を選抜し、ピチレ発の歌手ユニット「ピポ☆エンジェルズ」としてデビューさせます。
結果として、ピポは、ナルミヤのCMやカタログへの起用はもちろん、大手広告代理店も絡んで、マクドナルドのCMも回ってきたように、ピチモの知名度アップ、ひいては、ピチレのさらなる部数アップに、ある一定の成果を得ました。
ということで、これが「ピチレが自前のモデルを、そのまま歌手デビューさせる」という最初のケースとなったわけです。
ちなみに、ピポのシングルCDは、1st、2nd、さらにはちょこっと間をおいてメンバーを入れ替えた第2期ピポとしての3rdまで、合計3枚発売されたことからも、単なる「話題優先ユニット」「一発屋」ではなかったことが分かります。
■「ピチレモンユニット」は幻
2008年。続いてのユニットは、その名も「ピチレモンユニット」。メンバーは、表紙23回の大エース壁谷明音ちゃんをリーダーに、天野莉絵ちゃん、黒田瑞貴ちゃん、大山桃子ちゃんと、いずれも表紙経験のある、当時の人気ピチモたち。
このユニットは、ピチレ編集部も制作に関わり、ピチモがMCを務める日テレのオーディションバラエティ番組『歌スタ』から誕生しました。
具体的には、番組のデビュー応援企画の1つとして、同ユニットのCDデビュー企画が持ち上がるわけですが、そこは一筋縄ではいかないバラエティ番組。簡単にデビューはさせてはもらえません。
そこで提示されたルールは、「"敵役"とされるライバルユニット『裏ピチモユニット』と、CDデビューの座をかけて争い、勝ったら正式デビュー」というものでした。(ちなみに、このライバルユニットは、当時、まだAKBに入る前の竹内美宥ちゃんが所属)
■出来レースでなくガチだった。。。
で、ここで大事件が起こります。この対決の審査を、実際に勝者ユニットを自社でプロデュースすることになるレコード会社の担当者が厳正に行ったところ、なんとライバルユニットが勝ってしまったのです。(ピチレ組のメーンボーカル壁谷&天野コンビの歌唱力が圧倒的に劣っていたことが原因)
こうして、ピチレ発「ピチモユニット」のデビューは幻となり、それまで番組でMCを務めてきたこと、編集長まで番組に出演したこと、ピチレ本誌でも毎月のように「デビュー!デビュー!」と煽ってきたこと、一切すべてが無駄になってしまいました。
■ダウンロードのみの「コトノハ」
2010年。荻野可鈴ちゃんをセンターに、志田友美ちゃん、山田朱莉ちゃんの3人で結成されたユニット「コトノハ」。結成の目的は、主要キャラ6人全て声優をピチモが務めた伝説のアニメ『一期一会』の主題歌「Happy day」を歌うこと。
残念ながら、この曲がCD化はされることはなく、ダウンロード販売のみにどどまるため、「CDデビュー」ではありませんが、歌手デビューしたことは事実。なお、アニメ自体の視聴率もイマイチ奮わなかったこともあり、結局この1回限りのユニットで終わりました。
■おなじみ「すイエんサーガールズ」
そして、いよいよすイエんサーガールズです。2010年から「すイエんサー」に出演するようになって、2年。ついに、2012年度放送分から、自前のエンディング曲が用いられることになり、同時にCD発売もされました。
2012年度のエンディング曲が1stシングル「Sweet Answer」。2013年度分の2ndが「ピカッと!アハッと!体操」。そして、2014年度分の3rdが「アンブレラシュークリーム」。現在のところ、毎年1枚ずつ、順調にCDのリリースが続いています。
■厳しい現実
最初に挙げた一覧表の売り上げを見ると、いくら10万部を誇るピチレ発のユニットであっても、これまでのオリコン最高順位が90位ということで、CDを買ってもらうとなると、なかなか厳しいことがわかります。
とはいえ、すイガールについては、NHKが公共放送ということで、番組中に一切告知・宣伝できないことが敗因なのは明らか。視聴者のなかにはCD化すら知らない人も多いかもしれません。
■まとめ
ということで、ピチレ発の歌手ユニット第4弾となるのが「ピチ歌」です。今回のオーデは、「合格者はレコード会社に所属契約する」「Being協力」となっており、少なくとも、歴代ピチレユニットとは、意気込み&力の入り方が違います。
デビュー後の活動の場も、ある程度用意されるようですし、告知・宣伝の体制も整えられるはず。次回は、そこらへんのことを詳しく見ていきます。